カナダ大豆協会、24年記録的生産量達成を報告 カナダ大豆セミナー開催【PR】

サステナブルな挑戦も

現在、世界中でサステナビリティに関心が寄せられている。カナダの大豆関係者も効率的な単収や温室効果ガス排出削減、生物多様性の保全など、農場や大豆だけでなく、カナダ全体の環境を重視してSDGsに取り組んでいる。日本のユーザーはサステナビリティに関心を示しつつ、そのうえで多様な品種を求めているという。

始動して2年目の「FSA(ファーム・サステナビリティ・アセスメント)」は世界的に認められ、さまざまな産品で活用されているサステナビリティ評価プログラムだ。認証マークもあり、欧州、アジアでの食品メーカーでも使用している。カナダのサプライヤーでも評価され、第三の認定監査機関による独立的な保証により、カナダから購入した産品の信頼性を担保する。

カナダ大豆市場動向:食品用大豆において最大規模の輸出相手国・日本

カナダ産大豆の市場動向や輸出、25年の見通しについてはカナダ産大豆輸出業者のマキシム・デュプイ氏が報告した。

24年のカナダ大豆は総生産量760万t、うち非GMO(遺伝子組み換え)大豆は140万tと、2017年以来最大規模の生産量となった。同協会によると06年から生産量は増加傾向にあるという。輸出では500万tを出荷した。食品用大豆に限ると、カナダの主要な輸出先のうち、中国、イランに次いで日本は第3位。金額ベースでは最大の市場であるという。

プレミアム価格を含む非GMO大豆への影響として、GMO大豆の作付面積との競合、生産資材高騰、燃料・電気代の高騰、労働力不足などの市場要因が挙げられる。デュブイ氏によると、25年の大豆の作付面積は210~230万ヘクタールを見込み、うち非GMO大豆は38万4000~43万ヘクタールと微減予想。24年の高収量・大量生産の反動やトウモロコシ価格の回復見込みを要因とした。

マキシム・デュプイ氏

歴史あるカナダの大豆生産に誇りを

セミナーの最後に、同協会に加盟する約3万人の大豆生産者のうち、オンタリオ州のジェフ・バーロー氏とマニトバ州のメルヴィン・ラタイ氏が登壇した。パネルディスカッションで両氏はそれぞれの農場における非GMO大豆の生産について語った。特に非GMO大豆を生産する際に得られるプレミアムを重視しており、高品質の大豆を求める日本は重要な市場だとコメントした。

バーロー氏は「プレミアムのおかげできちんと栽培ができ、報われている。栽培した大豆が豆腐・味噌・醤油・テンペなど質の高い食品に使われることも誇りだ。クオリティが高いものを作り、実り多い取引をしたい」と述べた。ラタイ氏は「収量で不利になるため、プレミアムが得られないと非GMO大豆の栽培は難しい。タンパク質が豊富という優位性はあるが、プレミアムの存在は生産側のより強い動機になる。テクノロジーには高いお金がかかる。降雨・耕し方・肥料、播種を正しく維持するための機械も必須だ」とコメントした。

左からジェフ・バーロー氏、メルヴィン・ラタイ氏、ブライアン・イネス専務理事


カナダ大豆協会

https://soycanada.ca/ja/

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