食中毒は、湿度や気温の高い梅雨の時期や夏に発生件数が増加するだけでなく、冬でもノロウイルスなどのウイルス性の食中毒の発生が見られ、春や秋には他の時期に比べて自然毒による食中毒が多く発生するなど年間を通して発生しております。

食中毒事故の発生状況

過去３年間の食中毒事件発生件数は季節による差はほとんどありませんが、４月、６月、８月は患者数の多さから、食中毒事件の規模が大きいことが伺えます。

上位のウイルスによる事件数、患者数、死亡者数

上位のウイルスによる事件数、患者数、死亡者数コロナ禍による手洗い、うがい、マスク着用により総数は減少していますが1位のノロウイルス患者は増加しております。またアニサキス、カンピロバクターに比べて1事件の平均患者数が圧倒的に多いのと感染力が強力です。

ノロウイルス食中毒の症状

24～48時間の潜伏期間の後、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱等の主症状が現れます。特に嘔吐は突然、急激に強く起こる特徴があります。その他の症状として頭痛、咽頭痛、食欲不振、筋肉痛等が現れる事例もあります。いずれの症状も通常３日以内で自然に回復するとされますが、乳幼児、高齢者、免疫不全等の抵抗力の弱い方は重症化することがあり、過去には死亡事例もあるため、特に注意が必要です。一方で、症状のない、または軽度の症状しか出ない不顕性感染の方がいます。ノロウイルスを体内に保有し、排出しています。飲食に携わる方は定期的な検便を行い、感染していないことを確認しましょう。

ノロウイルス感染経路

ノロウイルス食中毒の発生場所

過去5年間の原因施設として最も多いのは、飲食店です（1,135件中828件）。次いで旅館（1,135件中99件）、仕出屋（1,135件中71件）となっています。原因施設の70％以上が飲食店となっており、総件数 としても1,000件を超えていることから、特に飲食店に携わる方は、十分対策が必要だと考えられます。

食中毒に備える保険は飲食店では必須！

店舗で食中毒が発生した場合、①お客さまに損害賠償金を支払う②営業停止処分③販売した商品をリコールなどのダメージがあります。さらに飲食店が提供した料理でお客さまが食中毒になってしまうと、店舗は休業状態になり、収入が0になってしまうため、飲食店経営に伴う大きなリスクといえます。

飲食店では、食中毒の発生リスクが常に存在しています。そのため、他人事と思わずに、店内をいつも清潔に保つことを心掛けることが大切です。また万が一の事態に備えて、保険に加入しておくことも必要な手段になります。食中毒が発生してからでは遅いため、早めに加入しておくのがおすすめです。保険に入っていないと、何千万円という金額を自己負担で支払わなければならない恐れがあります。長く店舗を続けるためには、食中毒発生のリスクを考慮した経営をすることが大切です。

『お店のあんしん保険』加入者さまの声

• 以前来店されたお客さま2名の内、1人にカンピロバクターが出たと保健所より連絡があった。入院はしていないようで通院している状態との事だったが、通院費も保険がきくか心配していたところ、1日3万円以内の補償が付いていてよかった。
• お店が提供した物を食べたお客様から体調不良になったと連絡があり、保健所の調査により3日間営業停止となりましたが、営業停止日数分のお見舞い費用を受け取ることができて安心しました。
• お客さまからソフトドリンクのオーダーを受けたが、誤ってアルコール入りのドリンクを提供してしまった。その方がアルコールアレルギーだったため体調を崩し救急車で搬送されたので、保険会社に問い合わせをしたところ生産したものに欠陥があったとの事で治療費をお支払いただけた。

PL保険（生産物賠償責任保険）とHACCP （食品を製造する際に安全を確保するための衛生管理手法）による徹底した衛生管理で、これらの食中毒事故に備えましょう。