「ウェルネストレンド白書Vol.2」発刊 監修者の武田猛氏に聞く 注目ポイントとその活用法【PR】

ウェルネス総合研究所は「ウェルネストレンド白書Vol.2」を5月31日に発刊した。インターネット調査で、日本国内在住の20~79歳の4,600人以上について健康維持、体力増進など47種のヘルスベネフィット、ビタミンC、コラーゲンなど54種の素材・成分から16因子を得て、「健康ストイック層(8.8%)」「健康コンシャス層(8.0%)」「コツコツ健康層(18.6%)」「ラクして健康層(19.9%)」「まだ大丈夫層(24.5%)」「トレーニング大好き層(6.6%)」「健康無関心層(13.7%)」の7つのセグメントに分類し、Vol.2にその調査結果をまとめた。同白書の監修者・グローバルニュートリショングループ代表取締役の武田猛氏に発刊の背景、注目ポイント、活用方法を聞いた。

ウェルネストレンド白書Vol.2
ウェルネストレンド白書Vol.2

――ウェルネス市場のトレンドとVol.2の概要、Vol.1(前号)からの変更点について

Vol.2は、前号以上に具体的な現場で使える業界人による業界のためのレポートというのが最大のコンセプト。

特徴のひとつは半年に1回の調査を実施している点。世の中の変動がこれだけ激しいなかでは年に1回では情報がすぐに劣化するのではないかとの思いからだ。

前号からの大きな変更点はない。7つの健康セグメントの出現率を検証する意味でもVol.1とは全く別の人にアンケートを実施したところ、いずれも7つのセグメントの出現率はほぼ同じで、日本人の代表的なセグメントといえる。

Vol.2では、タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素の摂取について増やす、減らすの意向を新たに追加して訊いた。また、業界の中でホットなトレンドワード、例えばアダプトゲンなどが消費者にどの程度浸透しているかも訊いた。

近くVol.3発刊の準備を始めるが、前号調査から1年経過して差異の現れる可能性がある。情報感度が高いセグメントとそうではないセグメントではその差が出てくると思う。

Vol.2では、3大栄養素について「意識して摂るようにしている」「やや意識して摂るようにしている」「特に意識はしていない」「やや意識して控えるようにしている」「意識して控えるようにしている」の5段階で訊いたところ、健康意識がそれほど高くないセグメントは「特に意識はしていない」人が多い一方、「健康ストイック層」「健康コンシャス層」「コツコツ健康層」の健康意識が高い層で栄養素によって「摂る」「控える」の回答があり、それぞれの考え方が顕著になった。

従来はオフの考えが多かったが、これからは良い食材をオンする商品が好まれる時代になってきていると調査結果からわかった。

日本の肉類、乳製品の摂取量は欧米の3分の1、あるいは半分以下にとどまっている。野菜や果物などプラントベースの食べ物を積極的に食べるのは大事だが、これらをわざわざ代替品とする必要は日本人の場合はないのではないか。動物性のタンパク質、食材を使わないとなると“精進料理”だ。これは歴史的に日本にあり、今さらそこに注目する必要はあまりない。大豆製品は食物繊維もタンパク質も豊富なため積極的に摂るのは良いことだと思う。ただ、プラントミートのような形にして肉を減らしてわざわざ大豆に代えるという必要はない。乳製品も同様で、乳製品はタンパク質が豊富で微量栄養素、カルシウムもある。これらをわざわざカルシウムを含まないものに置き換える必要はないと思っている。それぞれの良いところを利用することを否定する必要はない。

ウェルネストレンド白書Vol.2「三大栄養素の摂取意向」
ウェルネストレンド白書Vol.2「三大栄養素の摂取意向」

――白書の活用法について

主に、新商品開発や既存商品の見直しに使っていただきたい。今、商品展開しているものはどのヘルスベネフィットに該当するのか、今後新商品を展開するにはどのヘルスベネフィットをねらっていけば良いのか、それに関心のある人たちはどのような人たちなのか、7つの健康セグメントの分布はどうか、といった分析ができる。ヘルスベネフィットの素材、成分のうち何を選べば良いか、セグメントによって認知度が異なる新しいものを使って差別化を図る場合、各セグメントごとの認知度はどうか、摂取意向があるかを読み解くことができる。商品開発・見直し、マーケティング戦略を具体的に考える時に役に立つ。

また、自社の顧客以外のいわゆるノンカスタマーを分析して顧客化することが重要だと思うが、顧客化できていない人にどうアプローチするかの検討材料になる。同じ年代の違うセグメントに対しても同様で、関心と知識がないセグメントに対して、気付いてもらうアプローチ、コミュニケーションの方法もある。健康に自信があると思っている人も実は知らないだけと気付いてもらい、日本人の健康度を底上げすることができる。

ウェルネストレンド白書Vol.2「健康セグメント一覧」
ウェルネストレンド白書Vol.2「健康セグメント一覧」

――今後の展開について

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々の意識や生活スタイルが大きく変わり、その結果が出はじめる。年内に発刊予定のVol.3にはそれを意識し、23年の予測を盛り込む予定。性年代別の分析に加え、ZYXといわれる各世代、あるいはそれ以前のジェネレーションごとで価値が変わっている。情報へのアクセスもWebかテレビに加え、どんな番組かどのサイトか、より具体的な生活行動・様式まで深掘りできるような内容を検討している。

「ウェルネストレンド白書」の概要は下記より確認いただけます。
https://wellness-lab.org/trend/

武田氏プロフィール

武田 猛 氏
武田 猛 氏
  • 株式会社グローバルニュートリション代表取締役
  • 一般社団法人ウェルネス総合研究理事

18年間の実務経験と18年間のコンサルタント経験を積み、36年間一貫して健康食品業界でビジネスに携わり、国内外650以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置づけ、自らのビジネスを正確に位置づける」という「グローバルセンス」に基づき、先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評があり、数々のヒット商品の開発に関わる。


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