冷凍冷蔵倉庫業界に革新起こす 霞ヶ関キャピタルの挑戦【PR】
来月中旬から保管サービス開始 9月に埼玉県三芳町に施設が完成
●オートメーション型第1号施設
オートメーション型冷凍冷蔵倉庫の整備計画も全国で順次進んでいるが、今年9月にはその第1号施設として埼玉県三芳町に「LOGI FLAG TECH所沢I」が完成。X NETWORKがSBSゼンツウより寄託を受けて11月、保管サービスを開始した。この施設はまさにCOLD X NETWORKのスタート拠点でもある。
同施設では「預けたい期間、必要なスペースだけ」を具現化する一つとして、「1パレット(最大重量600kg、最大高1500mmまで)単位」での冷凍荷物の保管を可能にしている。さらに入出荷から保管管理、請求までが一元管理された独自開発のプラットフォームが用意されているため、荷主はユーザー専用サイトを通じてスペース予約や入出荷の依頼、加えて商品マスタの登録、在庫管理、請求書管理までの業務をすべてWeb上で完結できる。
このITシステムを駆使した冷凍自動倉庫の採用により、最適なロケーション配置、人的エラー削減、正確な在庫管理などを実現することで、これらの仕組みを確立できた。
「従来は倉庫の空きが見つかるまで荷主は複数の倉庫会社に電話で確認する必要があった。ITシステムの活用により、あらかじめ必要な登録手続きをしておけば、これらの業務が大幅に簡便化される。私は物流業界の出身だが、パレット単位での保管サービスはこれまでもあったものの、どこの倉庫にどれだけ空きがあるのかという情報は決してオープンになっていなかった。これを変えていきたいという強い思いがあった」(X NETWORK・宮越孝取締役本部長兼オペレーション企画部長)
加えてオートメーション型冷凍冷蔵倉庫は、-25度Cの冷凍倉庫内に大勢のスタッフが入って荷探しや積み出しをする必要がない。約7割もの省人化が図れるとともに、安全で働きやすい労働環境が提供されることで、雇用の定着にもつなげられる。
●スタートアップ企業も利用しやすい
COLD X NETWORKの冷凍保管サービスは(1)ユーザー専用サイトでのユーザー登録(2)書類審査・契約手続き(3)ユーザー専用サイトでの保管予約――の3ステップで利用を開始できる。審査は最短で当日中には完了するという。
そして今年11月中旬からは「スペース確保型」、25年1月からは「従量課金制」の各料金プランによる保管サービスがそれぞれ提供される。前者は中長期で固定期間預けたいユーザー向けで、固定のパレット枚数、固定の期間でスペースを確保できる。後者は一時的にスポットで預けたいユーザー向け。1パレット・1日単位からの利用が可能で、預けた分だけ課金される。いずれもユーザー専用サイト通じて申し込みができ、ホテルの予約のような直感的な操作で空き状況の確認と予約が可能になる。
「一時的に小ロットの冷凍食品を製造・販売する食品メーカーや、冷凍食品ビジネスに参入したばかりのスタートアップ企業などにとってもご利用いただきやすい保管サービス体系だと自負している。特にスタートアップ企業にとっては自前で冷凍冷蔵倉庫を持つことは大きな負担となり、また与信の問題もあり、事業開発・継続には大きな障壁になっていた。これを取り除きたい」(同)
●静岡県袋井市で4万平方m超の用地取得も
完成した9ヵ所の施設では10月現在、SBSゼンツウ、SBSフレック、三友通商などのテナントが決定し、こうしたリーシングも順調に進んでいる。
「従来、冷凍冷蔵倉庫は運営事業者自身が大きな投資をして新施設を建てるか、既設のドライ倉庫の限られたスペースに後付けで冷凍冷蔵倉庫を設けるしか方法はなかった。そこに賃貸型という新たな選択肢が加わった。テナントが順調に決まっていることは、解決策に向けた取り組みへの評価だと受け止めている」(中村シニアヴァイスプレジデント)
今後もスピードを落とすことなく、新たな開発プロジェクトを立ち上げ続ける霞ヶ関キャピタル。今年8月にも大規模な開発計画があることを発表した。静岡県袋井市での冷凍自動倉庫建設に向けた約4万2000平方mの用地取得だ。
「ここは異色の拠点になる。袋井市は首都圏と関西圏を結ぶ陸送ルートのまさに中間地点。中継輸送基地として、首都圏方面、関西圏方面から戻る途中のトラックが、一時的に袋井で預けられた荷物を引き取ることで遠距離輸送の効率化につなげられるほか、温泉施設や仮眠施設なども設け、ドライバーがゆっくりと休息できる、ホスピタリティを実現する拠点を目指す」(宮越取締役本部長)
これがまさに「2024年問題」への解決策の一つとして、国土交通省が期待する、中継輸送のための拠点開発になる。同社では今後も袋井市や地元企業とで連携しながら、プロジェクトを進めていく考え。
「テナント、荷主の目線に立ち、同時にドライバーを含めた各現場スタッフの労働環境改善も目指しながら、これからもさまざまな切り口から一つひとつ着実に物流の課題解決につなげていきたい」(同)