コラーゲン市場の新潮流と商品開発のヒント(第1回)【PR】

ウェルネス総合研究所は、タンパク質が筋肉、骨、皮膚、血管、内臓と全てのカラダの素であるとの考えの下、「NOたんぱく、NOライフ!」(https://wellnesslab-report.jp/feature/tanpaku/)を掲げている。特にコラーゲンの機能性を見直し、コラーゲン先進国の米国の動向や最も効率的に摂取吸収が期待できるコラーゲントリペプチドの効果に関する情報を、食品、医薬品やこれらの隣接業界に向けて発信している。

同研究所理事で、グローバルニュートリショングループ代表取締役武田猛氏に、3月に米・アナハイムで開催されたNatural Products EXPO WESTの展示会の模様と日米のコラーゲン市場の最新情報を、日本体育大学体育学部教授、博士(体育科学)で骨格筋評論家岡田隆氏に、カラダの素としてのコラーゲンの役割と効果的な摂取について聞いた。

Natural Products Expo West 2023 展示会の様子(本記事の掲載画像はすべて武田猛氏撮影)

◆武田猛氏に聞く 米国最新トレンドから見る日本市場でのコラーゲン商品開発の可能性

── ジョイントヘルスからコラーゲンペプチドの用途広がる

武田氏は、全米のナチュラル、オーガニック食品の最先端トレンドが一堂に会する展示会「Natural Products EXPO WEST」を訪問し、米国の最新情報を収集している。

コラーゲンのトレンドの背景には、プロテインがある。「より多くのプロテイン、より少ない炭水化物」がすでに定着している。プロテインだけでは差別化が難しい中、コラーゲンが注目され、プロテインの中にコラーゲンが配合された「プレミアムプロテイン」という位置付けの商品も出てきた。ここ数年、原料会社が積極的にエビデンスを取るようになったという背景もある。

米国では、従来はジョイントヘルスを中心としたスポーツニュートリションの領域で使われていたが、ここ数年はコラーゲンペプチドとして、肌、髪など女性に魅力的なエビデンスが多く取れるようになってきた。同時にスポーツニュートリションの領域で関節だけでなく靱帯(じんたい)、腱など結合部分に対するメリットも満たされるようになって用途が広がった。

── 髪、爪への効果からシワ改善まで研究領域拡大

日本では2005、2006年にコラーゲンドリンクが流行したが、当時は美容への効果を示す十分なエビデンスがなかった。米国では、2016年頃から商品が急激に増えた。消費者の関心も非常に高くなっている。Instagramのハッシュタグ投稿数もアボカドに次いで多く、ブルーベリーやケールなどより多い。Googleの検索数はプロバイオティクスの3倍近くある。各社が新商品を投入してきているが、よりナチュラル、サステナビリティといったトレンドがある。

米国では牛皮由来が多く、動物愛護の議論もあるが、グラスフェッド牛を用いて、サステナビリティ、動物愛護の観点からもワンランク上のコラーゲンと位置付けられている。エビデンスが充実してきたこと、ナチュラルトレンドにも乗っていることで、明確なベネフィットがあれば動物由来も積極的に使っている。

より摂取しやすいものとして、パウダーなどからスナックバーなどに展開している。今年の展示会ではサプリメントのカプセル、錠剤タイプが避けられるようになり、グミやミニドリンク、チョコレートなどに剤形がシフトしてきている。コラーゲンもより多くの食品に使われるようになっている。展示会でもコラーゲンの出展が前面になった。
欧州を中心としたコラーゲンの原料会社がエビデンス収集に注力し、医療関係者の関心も高まっている。コラーゲンに期待される効果はスポーツニュートリション、美容、免疫と幅広い。

日本では機能性表示食品の届出となり限定的だが、欧米ではヘルスクレームにこだわっていないため、原料会社がエビデンス収集に積極投資し、結果がSNSなどを通して広がり、医療関係者やメディアの目に止まり、これが消費者に伝わっていくという好循環になっている。コラーゲンは体感しやすいため継続につながる。日本では機能性表示食品にできないものの、髪、爪は結果が出やすい。肌の弾力性、保湿からシワ改善まで研究が進んでいる。結果にかかわらず研究者の関心も高まっている。

コラーゲンペプチドにしてしまえば由来にこだわる必要はないし、摂取量が少量で済むというメリットがあり応用が可能になっている。

── 新たな剤形や高齢者向け開発にも期待

クリーンラベルが主流になる中、欧米では「超加工食品」は避ける傾向がある。シリアルやスナックバーなどシンプルなものに「プロテインプラスα」的な位置付けで摂る方が自然だ。日本ではコラーゲンの摂取意向は高いが市場に反映されていないので、買いたい商品がないのではないか。

一時はコラーゲンドリンク、その後はパウダーで、次の新たな剤形の食品で摂取できる商品が見当たらない。一例だが、米国ではプロテインリッチなアイスクリームがあるが、日本ではそのような商品はほとんどない。ドリンクやサプリではブレークスルーはできない。CVS商品のコラーゲン鍋のようなものでも良い。

高齢者はプロテイン、コラーゲンを積極的に摂りたい意向が高い。高齢者がリハビリ病院を退院する際にコラーゲン摂取を勧められた例もある。アスリートや若い女性に限定せずにターゲットを拡大した商品開発も有効だ。

武田氏プロフィール

武田 猛 氏
武田 猛 氏
  • 株式会社グローバルニュートリション代表取締役
  • 一般社団法人ウェルネス総合研究理事

18年間の実務経験と18年間のコンサルタント経験を積み、36年間一貫して健康食品業界でビジネスに携わり、国内外650以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置づけ、自らのビジネスを正確に位置づける」という「グローバルセンス」に基づき、先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評があり、数々のヒット商品の開発に関わる。


一般社団法人ウェルネス総合研究所