2022年食品値上げカテゴリ 購買行動の変化(下) 冷食のDgS購買流出
1月23日掲載の連載(上)に続き今回は、店舗横断購買データ「IDレシートデータ」(約3万人の生活者から収集:フェリカネットワークス)から見た業態ごとの購買行動変化と、商品価格の関係について深掘りをしていく。
冷凍食品カテゴリーは、値上げ月にSMが不調な一方DgSが好調という傾向が見られたため、さらに細分類(冷凍調理品、冷凍麺、冷凍米飯加工品、冷凍ピザ・グラタン)について購買変化と商品単価の関係を分析した。
冷凍調理品、冷凍麺、冷凍米飯加工品、冷凍ピザ・グラタンの4つにおいては、いずれも平均商品単価は値上げ前からDgSがSMを下回っており、昨年の値上げによって一部近づいたもしくは逆転したカテゴリーもあったが、基本的にはDgSの方が安価な傾向は変わらなかった。顕著な例でいうと、冷凍調理品の平均商品単価は、22年2月の値上げ時でSMが216円、DgSが206円と10円の差があり、この差によってSMは販売数を減らし、DgSが伸ばした結果となっている。同月の冷凍麺でも、SMが190円であるのに対しDgSは184円の差が出ており、シビアな差によって購入の増減に影響が出ているといえよう。値上げ報道を見た消費者が近隣店舗で価格を見比べる中で、SMよりも売価が安いDgSの存在に気づき、DgSへの流出が起こったことも推測できる。
また、同期間で計44カテゴリーの平均商品単価を調べたところ、DgSの方が安価であったカテゴリーが21、SMの方が安価であったカテゴリーが同数で21、ほぼ同じ価格なのが2カテゴリーという結果も得られ、カテゴリーによってはDgSの方が安価に購入ができるという実態が明らかになった。
こうした状況から、冷凍食品以外のカテゴリーもDgSでの購入頻度が上がったり、あるいはSMとDgSで買い分けしていることは予測できる。
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