食べ物の単位と漢字1 リットル その1【PR】

2019.11.21

「豚のしっぽ」はもう古い!?

 今日も、ジャスミンティーのペットボトルを買った。これには、2リットル入っている。暑い日には冷やして飲むとおいしい。もちろん、温めてもおいしい。
 飲みながら思った。そういえば、リットルという単位は、毎日のように使っている。リットルは小学2年生で学習するので、大人のみなさんはずいぶんと長い間リットルを使っていることになる。
 それでも、今回は、最も身近な体積の単位であるリットルに注目していただきたい。
 私の手元のペットボトルには、「2L」と書かれている。別の小ぶりのペットボトルには、「500ml(ミリリットル)」とある。
「あれ、リットルって、大文字で書くべきなの? それとも、小文字?」
 そこに気づいた方は、すばらしい!
「いやいや、俺は豚のしっぽのような、筆記体のエル ℓ で習ったぞ。今でもそう書いているし……」
 さてさて、リットルの単位表記は、大文字なのか、小文字なのか。筆記体を使ってもいいのか、だめなのか。真相はいかに?
 まず、筆記体はだめだ。そもそも、アルファベットを斜めに倒して書く斜体は、単位を表すときには使ってはいけない。国際的なルールである国際単位系では、単位は立体(垂直に正立した書体)を使用することになっているのだ。斜体のエル l や豚のしっぽのℓはアウトだ。
 次に、大文字か、小文字か。リットルの単位は、正しくは小文字だ。アンペア[A]やパスカル[Pa]など人名に由来する単位の表記には大文字が使われるが、リットルは人名由来ではない。だから、リットルの単位は小文字で書くのが正しい。したがって、ペットボトルの「500ml」や牛乳パックの「1000ml」という表記は、とても正しい。
 では、私の目の前のぺットボトルにある「2L」という表記は、NGなのか?
 答えは、「特別に」OKだ。
 これは、ちょっと考えるとわかる。リットルに小文字を使うと、「1リットル」の「1l」と数の「11」があまりにも似すぎてしまうのだ。両者の勘違いで大事故につながる可能性だってある。これを避けるために、1979年からリットルの単位記号として[L]を使うことが国際的に認められている。最近では、[L]の使用が推奨されている場合が多い。
――ということで、2011年度以降の学校教科書では、リットルには豚のしっぽℓは使われず、大文字の[L]が使われている。こういうところで、ジェネレーションギャップが露呈することがあるので、注意だ。

星田 直彦(ほしだ・ただひこ)

1962年、大阪府生まれ。奈良教育大学大学院修了。中学校の数学教師を経て、現在、桐蔭横浜大学 准教授。実生活や歴史の話題を多く取り入れた数学の講義は好評である。幅広い雑学知識を生かして、「身近な疑問研究家」としても活躍。
おもな著書に、『単位171の新知識』(講談社ブルーバックス)、『図解 よくわかる単位の事典』(KADOKAWA)、『楽しくわかる数学の基礎』( SBクリエイティブ サイエンス・アイ新書)など多数。
ホームページ:「星田直彦の雑学のすゝめ」
ブログ:「雑学のソムリエ」

食材の量をはかるときには、さまざまな単位が使われている。グラム、キログラム、リットル、ミリリットルといった学校で習うような単位だけでなく、1つ、大さじ1杯、ひとつまみといった単位も入り混じる。食材や料理法によって使いやすい単位が使われているわけだが、3カップの材料が必要なときに、売っている単位はキログラムだったりと、換算が必要になることも多い。いりごまの場合、1カップ(200ml)は約100g。小さじ1杯は2g、大さじ1杯は7gと覚えておくとよい。いりごま1gは約400粒なので、小さじ1杯でも約800粒ものごまを摂れることになる。

うまかあじ
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