世界最大の生産国 アメリカン・チーズを探る(1)モントレージャック【PR】
広大な土地と安定した乳量を背景に、米国は約1000種類のチーズを年間600万t生産する世界最大のチーズ生産国だ。日常の食文化の中にチーズが息づき、同国内はもちろん、今や世界各地で多くの人々がアメリカン・チーズを楽しんでいる。チェダーやモッツァレラなど日本でおなじみのチーズから、世界的な大会で評価の高いスペシャリティーチーズまでそのバリエーションは豊富で、メニューもさまざま。特に同国ならではのオリジナリティーを持ったチーズは見栄えや使用性の良さから、高い評価を獲得しており、日本国内でもますます浸透が期待される。本企画では5回にわたってモントレージャック、コルビージャック、ペッパージャック、クリームチーズの4種類のアメリカン・チーズの魅力を探る。
モントレージャック
米国オリジナルのポピュラーチーズ
モントレージャック=写真=はアメリカン・オリジナル(米国原産)の、最もポピュラーなチーズの一つだ。18世紀半ばにカリフォルニア州モントレーに定住した、スペインのフランシスコ修道士によって作られた。19世紀後半に米国の実業家デビッド・ジャックスがその商業的価値に気付き、カリフォルニアで販売を開始。自分の名前をつけてブランド化した。
モントレージャックは、セミソフトでクリーミー。マイルドな味わいが特徴で、サンドイッチやサラダとの相性が良い。溶かすと糸引きが良く、さらにコクが出るので、スープ、ソース、トッピング、ピザなどの料理にも使われる。色は白やオフホワイトをしており、室温によって削ることができるほど堅くも、スプレッドできるほど柔らかくもなるため、高い汎用(はんよう)性を持っている。
米国はモントレージャックを年間約25万t生産しており、約5%を輸出している。唐辛子やハーブ、スパイスなどを使ったフレーバータイプもあり、ほかの種類のチーズと組み合わせて、コルビージャックなどの新しいタイプも作られている。
世界に広がるアメリカンチーズ
米国は世界ナンバーワンの生乳生産国で、年間1億0125万tを生産している。その安定した生産力を背景に、約600万tが作られており、年々増加傾向にある。季節や時期を問わずいつでも確実に安定した供給ができることが強みだ。
生産量が飛躍的に伸びていることで、輸出面ではグローバル・サプライヤーとしての地位を確固たるものとしている。2010年は17万3327t余りだったが、20年には約2倍の35万t超にまで拡大。相場の影響はその都度あるが、世界最大のチーズ供給国であることに変わりはない。
日本への輸出も堅調に推移しており、20年の対日ナチュラルチーズ輸出量は3万6202t。
今年に入ってからも盤石な生産体制を堅持しており、安定した供給が進んでいる。
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