世界最大の生産国 アメリカン・チーズを探る(4)クリームチーズ【PR】

クリームチーズ

幅広い使い方で楽しみ提供

クリームチーズ

モントレージャック(連載第1回参照)、コルビージャック(第2回参照)、ペッパージャック(第3回参照)といったアメリカン・ポピュラー・チーズは、同国の成り立ちと同様に、欧州の伝統を生かしながら新たな着想を得ることで、他の産地とは一線を画すオリジナリティーを育んできた。クリームチーズも、そうした歴史の中で誕生し、世界へと浸透していった。今や前菜からデザートまで幅広い使い方が生まれており、特に、新型コロナウイルス感染症拡大が続く中、ステイホーム下の菓子作りなどで需要が増加。今や単なる調理素材としてだけではなく、作る・食べる「楽しみ」といった情緒的価値を提供する重要なチーズとなっている。

現在のクリームチーズ=写真=の原型が生まれたのは1872年。ニューヨーク州の小さなチーズメーカーが、四角い形のクリームチーズを製造したのが始まりだ。「フィラデルフィア・ブランド・クリームチーズ」の名称で販売されたため、多くの人がフィラデルフィア発祥だと思っていたが、実際にはそこで作られたわけではなく、当時東海岸ペンシルバニア州にあるフィラデルフィアが超一流の食品、特に乳製品が有名だったためだ。

甘酸っぱく、乳酸独特の香りと、フレッシュでミルキーな香りがあり、米国産のクリームチーズはソフトでスプレッドできるため、サンドイッチ、トーストやベーグルに最適。またよく溶け、マイルドな風味は他の食材とよくなじみ調理用にも最適で、前菜からデザートまでさまざまな料理に使われている。冷蔵庫から出してもすぐに使うことができ、ケーキなどのお菓子やディップだけでなく幅広い料理に最適だ。

コロナ禍の緊急事態宣言の発令など、日本国内では外出自粛が続き、精神的なストレスが高まっている中、クリームチーズを使った菓子作りの需要が高まった。特に、小さな子どもを持つ家庭では、家族の対話を育む機会も生まれており、情緒的な価値を提供している。

私のポイント ニューヨークスタイルで魅力発信

キノーズコーポレーション木下也寸志社長
キノーズコーポレーション 木下也寸志社長

本格グルメサンドイッチ専門店「キノーズ マンハッタン ニューヨーク」では、しっかりとしたボリュームのサンドイッチ、ハンバーガー、ホットサンドなどを展開しています。時代のニーズに合わせてデリバリー対応やラインアップの拡充などを進め、ビーフパストラミが楽しめる「ニューヨークルーベン」など、他では味わえないニューヨークスタイルの食事を提供しています。

モントレージャックなどはシンプルに素材を味わうことができ、肉をメーンにしたミートスタイルの「キノーズバーガー」などで好評を得ています。この夏もコルビージャックなどを使ったハンバーガーを新たにスタートしました。

アメリカン・チーズはトマトベースなど酸味のあるものとよく合い、マイルドなテイストで日本人の嗜好(しこう)にマッチしていると思います。肉の脂やうまみをさらに引き出す強みもあり、冷めても飽きない味がポイントになっています。

私自身、米国や欧州での生活経験がありますが、チーズは10代の若者にとっても栄養面でポジティブな食材です。これからもチーズをより身近においしく食べられるニューヨークスタイルにこだわったメニューを開発していきたいと思います。