不安癒やす「チョコ」、存在感を発揮 バレンタイン変化も

菓子 ニュース 2021.01.29 12179号 01面
身近な量販店で買えるチョコが活躍しそうだ

身近な量販店で買えるチョコが活躍しそうだ

 ウィズコロナの中で迎えるバレンタインはどのように変化するのか。新型コロナウイルス感染症の猛威はとどまらず、11都道府県に発令された2度目の緊急事態宣言の対象期間は2月7日までとなる。「ステージ3」の基準を基に総合的に判断との解除基準に、再延長の声も聞かれる。再延長されると準備期間も含め、2月14日のバレンタン当日も緊急事態宣言の下で迎えることになる。人と会うなど直接的なコミュニケーションは難しくなり、14日のバレンタイン当日が日曜日になることと合わせ、いわゆる「義理チョコ」需要は大きく減少することが予想される。一方でコロナ禍以降、チョコレートは人びとのさまざまな不安を「癒やす」菓子として存在を高めている。今年のバレンタインでは、人と人をさまざまな意味でつなぐ「チョコレート」の価値が発揮される。=関連記事7面(青柳英明)

 バレンタインの位置付けは「男女間の贈答イベント」から、「友人同士での贈答イベント」「自分のための贈答イベント」、近年では「チョコレートを楽しむイベント」に変化してきている。つまりコミュニケーション、さらに20年の緊急事態宣言以降、自宅で過ごす時間が増えたことで巣ごもり消費が活発化し、手作り需要が喚起され、板チョコレートの需要が伸長しており、プラス材料はありそうだ。

 明治・カカオマーケティング部の木原純氏は20年11月に実施した調査で、消費者は在宅時間の増加で「菓子を食べる頻度が増え、おやつの時間を楽しむ人は半数に上り」、食べるおやつの1位は「チョコレート」で、3割が2日に1回以上チョコレートを食べていることが明らかになったと説明する。コロナ禍が長期化する中、感染に対する不安や経済的な不安を癒やす存在としてのチョコレートの価値の評価が高まっていることが要因として推測される。今年のバレンタインは、「おうち時間をハッピー&スイートに チョコレート大作戦」をテーマにチョコレートの「楽しさ・癒やし」の発信を強化すると説明。また、こだわりの自己消費の喚起、バレンタインに最需要期を迎える手作りチョコのレシピ提案を強化。さらに、コロナ禍のバレンタインに配慮し、個包装済みの大袋商品を自分でリパックするラッピングギフトも提案する。

 ロッテの21年バレンタイン戦略は、チョコレートだからこそ提供できる価値で、コロナ禍で変化するニーズや消費者の気持ちに寄り添った提案を行う。同社の調査では、コロナ禍以降のチョコの購入意向の増加理由は「ストレスを感じることが多くなったから」「家族と食べる時間が増えた」「自分のぜいたくな時間が増えた」ことで、「チョコが癒やしの存在」となっていることが分かった。さらに20年4月の緊急事態宣言以降、在宅時間の増加に伴い、巣ごもり消費が活発化し、手作り需要が喚起されたことで「ガーナ」など板チョコの売上げは伸長している。

 バレンタイン施策は、2段階で展開。1段階目は主に「自己消費」を狙い、1月中旬から「LOVEITACHOKO」をテーマに「ガーナ」を中心とした「板チョコレート」商品にフォーカスし展開。2段階目は手作りにフォーカス。2月上旬から川村元気氏プロデュースによるアニメのプロモーションを展開する。

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