プリンセス、低価格完全1食パック「ハイブリッドフーズカロリー480」発売

(株)プリンセス(東京都新宿区、03・3350・0888)は12月1日から、一食単位のエネルギーをおよそ四八〇キロカロリーに抑えながら栄養的なバランスもコーディネートした「ハイブリッドフーズ カロリー480」を全国で発売した。高血圧・高脂血症、糖尿病、肥満、高齢、ダイエット中など食事制限が必要なあらゆる層を対象としたもので、食品を扱えない業態、通信販売、自動販売機、病院など業務向けにも販売展開する予定。価格は一食平均一〇〇〇円未満と、他社の既存同等商品より大幅に低く設定したのが最大の特徴。

同社は弁当の製造販売からスタートし、在宅糖尿病患者、高齢者向けの食事宅配サービスなどを展開してきた。「ハイブリッドフーズ カロリー480」はこれまで蓄積してきたノウハウから同社がメニュー開発を行い、生産は外注する。

一食にはご飯、おかず三品、おやつがセットされた完全一食パックで、一食当たりの総エネルギー量は四八〇キロカロリー前後、三食での塩分量は一〇g以下に抑えた。一食でバランス良く多くの食品を摂ることができ、おやつをセットしたことで食事制限中でも満足感が得られる。ご飯は無菌包装米飯、おかずはレトルトを利用しているため、常温で六ヵ月の保存が可能。来年には厚生省の病者用(糖尿病)食品の許可申請を行うこともあって、食中毒の危険がない、添加物の使用を最小限に抑えた点など安全性をアピールしていく。

原則的に単位販売で、五種類のメニューが各一品ずつの五食セットが四九九〇円、同各二品ずつの一〇食セットが九九八〇円と一食平均では一〇〇〇円を下回る低価格に設定した。競合する他社商品の多くは一三〇〇円程度のため、価格競争で強みを発揮できるものとみている。

多方面での利用が予想されるため、販売も幅広く展開していく。業務用としては病院、学校、事業所にロットで販売していくという。通販、レンジ付き自販機での販売ほか、スポーツジムや高齢者施設、在宅高齢者支援センターとの提携なども検討している。このほか、カード式POS対応で顧客に郵送するシステムを開発する計画で、ブックセンターなど食品を扱えない業態向けにもこのシステムを利用して展開したい考えだ。

12月1日から販売するのは「さばのつけ焼きセット」「八宝菜セット」「鶏肉のクリームコーン煮セット」「和風ロールキャベツセット」「すき焼きセット」の五品だが、来年4月までには二八品、同12月までには五六品と順次メニュー開発し、一八〇種まで拡大する。また、地方の顧客増大のため、各地に生産工場を拡散させてメニューに郷土色を出していく。来期(平成11年3月)までに二〇億円の売上げを見込む。

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