世界のアマニから2 ペルー篇  “スーパーフード大国”の素顔【PR】

ペルー ハンバーガー

ペルーと聞いて「真っ先に思いつくのは?」。
友人10人に尋ねると、
1人が「日本からの移民が多い国」、
1人が「クラウディオ・ピサーロ」(サッカー選手)、
そして残る8人は「マチュ・ピチュ!」でした。

マチュ・ピチュとは15世紀のインカ帝国の遺跡で、
アンデス山麓に属するウルバンバ谷に沿った山の尾根にあります。
1983年、一帯が世界遺産に登録され、
新型コロナ禍の前は、世界からの観光客でにぎわっていました。

一方、ペルーには、別の顔もあります。
それは、“スーパーフード大国”です。
ここ数年、日本でも話題になっているスーパーフードの多くは、
ペルー古来の植物や作物です。

例えば、「キヌア」。
たんぱく質・ミネラル・脂質・食物繊維が豊富な穀物として知られています。
“冷涼少雨”の高山地でも育ちやすく、
飢餓問題や栄養失調、貧困問題の解決につながる可能性があるとして、
国連総会が2013年を「キヌア国際年」と定めて以来、
日本でも急激に広まりました。
このほか、
キウイフルーツの40倍のビタミンCを含む果物「カムカム」や、
健康食品として有名な「マカ」なども、ペルー発祥です。

そんな“スーパーフード大国”で
食べ物のみならず、飲み物にも活用されているのが「ローストアマニ(アマニ粒)」です。

ペルーは、
旅行業界のアカデミー賞と称される「ワールドトラベルアワーズ」で、
「世界最優秀グルメ観光地賞」を何度も受賞している実力の持ち主ですが、
(これも、あまり知られていない“顔”ですね!)
いま、街で増えているのが、「ベジタリアンレストラン」です。
「ベジタリアン」とは菜食主義者の総称で、
アレルギーや病気といった健康面や、動物保護など様々な理由から
国内で「ベジタリアン」が増えているそうです。

ペルー ハンバーガーパテ工程

首都・リマのお店では、ハンバーガーが人気ですが、
ここで、「ローストアマニ粒」が活躍しているのです。

まずは「バンズ」。
ベーキングパウダーを使用せず、
全粒粉に、ローストアマニ粒を粉末にしたものを加えて作ります。
焼き上がりは、どこかアマニの香ばしい香りが漂いつつ、
食感はしっかりとしていて、
実に食べ応えがあるそうです。

そして、中身のハンバーグも、
お肉を一切使わず、ローストアマニ粒や、さきほど紹介したキヌアと、
カスターニャナッツ(ブラジルナッツ)のおからなどを混ぜて作ります。

そして、新鮮な野菜や、自家製のトマトケチャップ、
カシューナッツマヨネーズを挟めば、
名付けて“アマニバーガー”の出来上がり!

この“アマニバーガー”。
すべて植物、つまり大自然からの贈り物で出来ていることに気づきます。
こうなると、「ベジタリアン」の中でも、
肉類はもちろん、卵や牛乳、ラードなど
動物由来の食品を摂らない「ビーガン」にも対応した一皿に。
マチュ・ピチュに観光に来た
ヨーロッパなど海外の「ビーガン」もうならせているそうです。

ペルー ハンバーガー 寄り>

ちなみに、ローストアマニ。
食べ物だけではなく、
シナモンなどスパイスと混ぜて作るジュース「リナザ」(1枚目画像参照)にも
使われているというから驚きです。
ローストアマニの繊維質が溶け出し、
やわらかいこんにゃくゼリーのような不思議な食感なのですが、
食事はもちろん、
美容を意識した女性たちが食事代わりに飲むこともあるそうです。

観光大国をめざす、わが日本。
世界の「ビーガン」たちをどう取り込むかという視点は、
ペルー発“アマニバーガー”や
「リナザ」から学べるのかもしれません。

平岡直也(ひらおか・なおや)

新聞記者、出版社、放送局を経て、2020年4月「株式会社hasso.」を立ち上げる。企業や大学、地方自治体に「はっ、そう!」と思ってもらえるPR戦略を立案するほか、これまでの経験を活かし、フリージャーナリストとしても活動。池上彰氏と「池上彰と考える『死』とはなんだろう」(KADOKAWA)も上梓した。趣味は、「食べること」。仕事や取材で行った土地の料理と、“温泉”を必ず楽しむのがモットー。