雪印乳業、9月に「ドールピュアアップル100%ジュース」を発売、市場の実勢価格に対応
雪印乳業㈱(東京都新宿区、03・3226・2124)はクリアタイプの一〇〇%アップル「ドールピュアアップル一〇〇%ジュース」を9月1日から全国で販売を開始する。市場の伸びが著しいアップル市場での品ぞろえを図ったもの。さらにフルーツの専門家ドールが従来の混濁アップルに加え個性の違ったクリアタイプも、消費者に提供しようというもの。
一〇〇%アップルジュースは天然果汁業界の積極的な販促の中で好調に売上げを伸ばしている。PBが一〇〇%オレンジュースを発売、さらに品揃えの強化としてアップルジュースを発売して順調に市場に浸透してきた。さらに天然果汁の低価格販売戦略によりNB各社はPBに対抗できる製品を発売している。
今回の同社の「ドールピュアアップル一〇〇%ジュース」はSP一〇〇〇㍉㍑で二五〇円‐写真、LL二〇〇㍉㍑で八〇円。これらの商品で台頭するPBや低価格製品に対抗してシェア回復を図っていく構え。秋以降同市場において熾烈な定番確保合戦が展開されそうだ。
雪印乳業は8月1日から「ドールオレンジ一〇〇%ジュース」の値下げを予定しており、市場の実勢価格に対応していく方針を打ち出している。
日本市場において一〇〇%アップルジュースの一挙拡大は、海外産原料の品質が向上して安定的な原料調達が可能になり、果汁メーカー各社の商品化ができたため。従来日本産のリンゴ果汁では原料の不足や、価格の高騰が懸念されていた。
天然果汁業界はオレンジ果汁の完全自由化を契機に市場の一挙拡大を期待していたが、各社の思惑通りには推移していない。しかし、同市場の中で唯一好調に市場拡大を展開しているのがチルドの一〇〇%アップル。九二年の生産量は果汁協会発表によるJAS格付実績で一二万六七三四㌔㍑で前年比二二%増、オレンジ果汁の約八五%で同市場の三八%を占める。
今年に入ってからも好調に推移しており1~5月の累計で前年比二二%増。一方オレンジ果汁は一七%増で、市場全体では一二%増。
アップルジュースの購入理由を主婦に聞いたところ「オレンジジュースより飲みやすい」「安心感がある」「従来からの親しみ」「子供は甘い方が好き」などで、買物かごの定番は確保できているようだ。