伊藤忠商事、伊・トスカーナワイン11品輸入販売へ
伊藤忠商事(株)(東京都港区、03・3497・6253)は、イタリアのトスカーナ地方のワイナリー「ピッチーニ社」の独占輸入代理権を今年1月に取得、今春から本格販売する。スーパー・トスカーナと呼ばれる高品質なワインやキャンティなど知名度の高いワインを計一一アイテム輸入、初年度一万五〇〇〇ケースの販売を目指す。
ピッチーニ社は一八八二年設立の有力ワイナリーで、九七年度販売量は一一八万三〇〇〇ケース(三三億七五〇〇万円)。全体の四分の一をイタリア国内で販売し残りを欧米に輸出している。トスカーナ地方におけるキャンティの製造では第一位、キャンティクラシコでは第三位に位置する。
伊藤忠では、キャンティ(DOCG)やキャンティクラシコ(同)を中心に業務用および百貨店に拡販、テーブルワインクラスは量販店にも販売したい考え。また、スーパー・トスカーナと呼ばれる高品質ワイン「パトリアルカ・ピッチーニ」を4月中旬から発売、今後の中核商品として育成していく。
スーパー・トスカーナとは、従来の格付けワインではないものの、独自の製法で作られた特色ある高品質ワインを総称したもの。パトリアルカ・ピッチーニは、サンジョベーゼ八五%とカベルネソーヴィニヨン一五%をブレンドし、バリック樽で二〇日間、大樽で一二ヵ月間熟成させた。
九六年ビンテージの生産量は二〇万本、そのうち六万本を伊藤忠が輸入販売する。希望小売価格は、他のスーパー・トスカーナの価格の半額程度の四〇〇〇円に設定する。
伊藤忠は九七年度から輸入ワインビジネスに本格参入、品揃えの充実に努めてきた。現在、南アフリカ、豪州、ブルゴーニュなどのワインを扱っており、来年度の販売目標は四万~五万ケース。今回のトスカーナ・ワインに加え、秋口までにボルドーやシャンパーニュなどの銘醸ワインも取扱い始める意向で、さらなる事業拡大を目指す。