食品経営者フォーラム、新井ゆたか消費者庁長官「パーパス経営」で講演
●俯瞰的視点で成長
日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが14日に開催され、新井ゆたか消費者庁長官が「『パーパス志向』の真髄を探る」をテーマに講演し、「パーパス経営の真髄は、企業目的の共有と従業員の共感を起点として、社会を良くするために企業が動く、こういう点が評価されることかと思う」と語った。
新井長官は、今なぜパーパス経営なのかを考えるに当たり、キーワードは「持続的な成長」であり、そのためには俯瞰的視点が重要だとした上で「仕事をする際にHowではなくTo be、今までと同じ方程式の中で数字を出すのは難しく、目的を入れ込まないと難しい」と指摘。一番良いのは従業員が何のために働いているかを自認し、その中で頑張っていくことだと強調した。また消費者庁が実施する「消費者志向経営優良事例表彰」では、事業者と消費者が価値を創造することで、事業者の行動変容が起こり、社会的価値の創造につながることを表彰していると説明。
新井長官は、消費者価値につながることは従業員の労働意欲にもつながり、目標を共有し頑張ることが企業の持続的な発展につながると考えているとし、今後も業界関係者と議論を深めたいとまとめた。(阿久津裕史)