「PERFECT MATCH!キャンペーン」展開 EUの食材が身近に
欧州連合(EU)は10月27日、東京都港区南麻布のヨーロッパハウスで「PERFECT MATCH!キャンペーン」のプレス向け説明会を開催した。同キャンペーンは、2019年2月1日の日本とEUの経済連携協定(EPA)発効により、手頃な価格で提供されるようになったEU食材および飲料をEUと和の食材を使ったレシピの提案、食品業界向けセミナーの開催、食品スーパーでの消費者向けプロモーションなどを行い、日本の食卓で身近な存在になることを目的としたもの。
シルヴィア・チェルスカ駐日欧州連合代表部通商部一等書記官は「EU食材の素晴らしさを日本食材とのマッチングを通して広く伝えたい」とあいさつした。
続いて、小林恵駐日欧州連合代表部通商部上席通商担当官が「EU市場における品質保証とEPAの恩恵について」と題してプレゼンテーションを行った。小林担当官は、EU食材の三つの特徴として「高品質」「本物」「高い安全性」を挙げた。「高品質」は、農場から食卓戦略として2030年までに殺虫剤使用50%削減、化学肥料使用20%削減、畜産の抗菌剤使用50%削減、農地の25%を有機農地に転換などの促進を図っていることなど、「本物」は、地理的表示(GI)保護制度によって品質が保証されていることなどを説明した。
また、オリーブオイル+オリーブ、乳製品、肉類(加工品を含む)を対象に行ったリテールプロモーションでは、コロナ禍で試食販売はできなかったが、ある量販店で、販売員がEU食材の紹介を行った推奨販売は前年比2.7倍の販売額と大きな効果が上がった。新型コロナ収束後は、店頭イベントなども積極的に再開する計画だ。
庭乃桃料理・食文化研究家、女子栄養大学食生活指導士はEUと日本の食材をマッチングさせた秋メニュー3品を紹介。庭乃氏は、EU食品の魅力と強みを「シンプルでピュアな味わいでアレンジしやすい」と紹介し、EU食品の「高品質」「本物」「安全性」を象徴するGI認定産品は「食材や料理を巡る風景・食文化のエピソードを語るのに最も適している」とEU食材の価値を語った。
今後の展開は30日のFABEX関西でセミナー、11月10日にはチーズをテーマに無料オンラインセミナー(日本食糧新聞主催)を開催する。(金原基道)