蔵王ミート、FSSC22000認証取得 従業員教育徹底

総合 ニュース 2023.12.18 12692号 10面

「新鮮な畜産物を産地から直接お客様へお届けしたい」という思いの下、独自の発想と技術で作り上げた一貫生産システムで生産した肉製品を全国の百貨店やSMに供給する蔵王ミート。1975年の第一工場建設時点から品質管理を徹底するため、HACCPの概念を取り入れた構造にしていたが、さらに22年1月に国際的な食品安全規格であるFSSC22000認証を取得した。注目したいのは、同社が従業員教育を徹底していること。これはコンサルティングを担当したISOプロ担当者も高く評価している。同社では「FSSC22000認証取得によって輸出を視野に入れた管理ができる工場を目指した」としており、ハードとソフトの両面の充実でさらなる高みを目指す。

わが国で総合衛生管理製造過程承認制度(マル総)が発足したのが95年であることを考えると、同社がHACCPに着目したのは、国内ではかなり早い時期といえる。その後、01年に第二工場、第三工場を稼働させ、第一工場も増改築した。

同社では品質管理課長をリーダーに、工場長、品質管理担当、総務担当、営業担当の合計8人で食品安全チームを構成し、月1回のチーム会議、朝礼を活用した内部コミュニケーションを実施している。勉強会は就業時間内に30分を目安に実施。担当者によると「1時間やっても、内容が身につかない。ことあるごとに時間をとって実施することが重要」だという。規格要求事項については自分たちなりの解釈を加えて文書化し、チームメンバーに伝達。さらにチームリーダーが説明役となって現場に落とし込む。

教育とともに重視しているのが「報連相」と「おひたし」だ。管理職に対しておひたし(お=怒らない、ひ=否定しない、た=助ける、し=指示する)と、作業中に異物を発見したり、トラブル発生前に異変に気づいたりした従業員に感謝の気持ちを伝えることを徹底する。

また、同社は「FSSC22000認証取得で食品安全管理レベルが向上し、顧客や消費者から信用と信頼が得られた。今後はPDCAを回してブラッシュアップを継続し、海外に製品を輸出しても安心してもらえるようなシステムにしていきたい」と、次なる目標を見据えている。(木下猛統)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら