イラン産キャビア、旧ソ連産粗悪品に対抗し「ラムサー」の商品ブランド訴求を積極展開
イラン産キャビアの独占輸入権をもつラムサージャパン㈱(東京都港区赤坂一‐九‐二〇、03・3585・9151)は、最近の旧ソ連産の密漁キャビアの粗悪品に対抗し、最高品質を保持するイラン産キャビア「RAMSAR(ラムサー)」の商品ブランド訴求を積極的に展開する一方、キャビアの正しい情報のPRに努力、市場の正常化に取組んでいく。
ソ連の崩壊で、旧ソ連産のキャビアは国営の水産公団以外、密漁による粗悪品キャビアの流通が増大。これまで国営品が年間生産量一〇〇tに対し、現在密漁品とみられる粗悪品キャビアが四〇〇tは出回っているという。このため最大需要国のフランスではキャビアの品質に対する不信感が出始め、市況も軟化しているという。日本にも旧ソ連産の密漁キャビアが輸入されているものとみられ、品質不信に対する影響が懸念されている。そこで、世界最大のキャビア生産国であるイランの国営水産公団イラン・シラット社は、世界の主要需要国を訪問、キャビアの正しい情報のPRに踏み切った。
日本では高級輸入食材を扱う中堅商社、アルカントレーディング㈱の関連会社でイラン産キャビアの独占輸入権をもつラムサージャパン㈱にイラン・シラット社取締役アクバロフ氏ら一行が来日し2月21日に、旧ソ連産キャビアの動向、イラン産キャビアの現状、日本におけるキャビア需要動向などを説明、正しい情報のPRに努めた。
問題の旧ソ連産のキャビアはソ連邦崩壊後、カスピ海沿岸のアルメニア共和国、カザフスタン共和国、アゼルバイジャン共和国など五ヵ国が独立、政情不安の中で、工業汚染にまみれたボルガ川などでチョーザメを乱獲。管理の行き届かない不衛生な加工工場で品質規格基準を無視した製品化が行われ、保管・低温流通も不備で、海外向けに勝手に販売されているという。
一方、イラン産キャビアは政府管轄の国営水産公団イラン・シラット社のもとで、チョーザメの誕生から抱卵、補獲から採卵、加工から製品まで全てを厳正な管理体制で対応、最善の状態で高品質なキャビアを製品化している。
また、チョーザメの生態管理から漁獲地の環境整備、水質維持に努めているほか、キャビアの加工・研究などに膨大な投資を行っている。
イラン産キャビアの年間生産量は自然環境、天候の影響などで二〇〇~二五〇tとなっている。うち輸出量は最大二〇〇t。日本を含む極東エリアには三〇t、うち日本には二〇tが輸出。年間生産量二〇〇~二五〇tはこの一〇年間変わっておらず、自然とのバランスを保っている。
ところが、昨年あたりから旧ソ連一〇〇t、イラン二〇〇~二五〇tの均衡がくずれ、一気に旧ソ連産密漁の粗悪品キャビアが四〇〇tも増えるに至った。かつては厳正な品質が維持されていた高品質、高級キャビアであるが、粗悪品が出回ることで、その品質絶対に対する不信感が高まってきた。そこで旧ソ連産密漁キャビアの粗悪品によるイラン産キャビアへの誤解を回避するため、イラン産キャビアのブランド名である「RAMSAR(ラムサー)」を差別化告知。あわせて本来のキャビアの正しい情報を伝えることで、キャビアの信用回復と密漁粗悪品キャビアの追放を強力にはかっていきたいということだ。