食べ物の単位と漢字6 瓜 【PR】

瓜に爪あり、爪に爪なし

 「瓜(ウリ)」と「爪(ツメ)」は、よく似ている。似過ぎだ。あまりによく似ているので、「え~っと、どっちがどっちだったっけ?」といつも迷う。
 そういう人が多いからだろう、混同せずに覚えるために、「瓜に爪あり、爪に爪なし」なんて言葉がある。私は、この言葉なしでは両者を区別できない。ここでいう「ツメ」とは、「瓜」の中央部にある「ム」の払い上げた部分のこと。この部分があるのが、「瓜(ウリ)」で、ないのが「爪(ツメ)」だ。
 実は、「瓜」と「爪」も象形文字だ。ということは、漢字の成り立ちを知れば、「え~っと」から開放されるのではないか? 居酒屋で「胡瓜の一本漬け」を頼んだ友人がいたら、蘊蓄を語れるかもしれない。

 上図のように、「瓜」は、蔓(つる)にウリがぶら下がっている様子を表している。「ム」がウリの形状を表しているのだ。なんて、わかりやすいんだ! もはや、私には、「瓜」は「ウリ」にしか見えなくなった。
 「爪」のほうは、もっとわかりやすい。鳥の足の爪の形から生まれた象形文字だ。これは、最初から「爪」にしか見えない。文句なしだ。
 え~と、私は何を迷っていたのだったっけ? 「瓜」と「爪」は、全然違うではないか。似ても似つかない。こんなことで悩んでいた自分が恥ずかしい。この調子で、「綱(つな)」と「網(あみ)」の違いも調べてみたい。

星田 直彦(ほしだ・ただひこ)

1962年、大阪府生まれ。奈良教育大学大学院修了。中学校の数学教師を経て、現在、桐蔭横浜大学 准教授。実生活や歴史の話題を多く取り入れた数学の講義は好評である。幅広い雑学知識を生かして、「身近な疑問研究家」としても活躍。
おもな著書に、『単位171の新知識』(講談社ブルーバックス)、『図解 よくわかる単位の事典』(KADOKAWA)、『楽しくわかる数学の基礎』(SBクリエイティブサイエンス・アイ新書)など多数。
ホームページ:「星田直彦の雑学のすゝめ」
ブログ:「雑学のソムリエ」

爪は、ごまを食べるときに役立つことがある。豊かな栄養分を含むごまだが、小さくて皮が固いため、そのまま食べたのでは歯でかみ砕けず、せっかくの栄養分を十分に摂ることができない。そこで、すりごまや練りごま、ごま油にすることで、香りや旨みを引き出せるだけでなく、ごまの栄養分をしっかり摂取できるようになる。いりごましかないときは、指先でごまをひねるようにつぶして、ひねりごまにすればよい。固いごまを潰せるのは、鳥とは違って平たい爪があるおかげ、というわけである。

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