この一品が客を呼ぶ・仙台:「味の牛たん 喜助」たんとうふ
仙台に牛たん屋は数あれど、さすがは老舗。牛たんのうまみを引き出すのが巧い! 一度食べたら病みつきと、客も絶賛する「たんとうふ」は、ここ「喜助」が発祥だ。酒のつまみに、定食のお供に愛され、一日一〇〇食を売上げる。女性にも人気のその理由とは?
仙台駅構内に、牛たん店が軒を連ねる「牛タン通り」もオープンし、近年ますます熱い商戦を繰り広げる仙台名物「牛たん」。数ある専門店の中でも、創業三〇年、市内に七店舗を展開する老舗「味の牛たん 喜助」には、メーンメニューの牛たんに負けず劣らず人気の高い「たんとうふ」がある。二五年前に、先代が考案した喜助発祥の逸品だ。
湯豆腐に牛たんあんをのせたシンプルな作りではあるが、駅前中央店一店舗だけでも一日平均一〇〇食を売上げる。牛たんをミンチ状にし、味噌と醤油、数種類の薬味で調味。ぷるぷる滑らかな豆腐と絡み合う、とろみあんのショウガの風味が香ばしい。
ビールや酒のつきだしとしても出されているが、二五〇円という低価格も相まって定食とともに単品で注文する客も多い。
「牛たんは焼き上げて、出てくるまでに時間がかかる。その間のつなぎとしても丁度よい価格と量なんです」とは駅前中央店店長の馬場和則さん。一度食べたら病みつきだよ! と常連客からの評判も上々だ。
もともと、女性にも楽しんでもらえるメニューとして開発されたという通り、良質なタンパク質を含み、低脂肪の牛たんと、カルシウム含有が高い豆腐の組み合わせは、ヘルシー志向の女性客にも好評である。
◆味の牛たん 喜助(仙台市青葉区中央二‐一‐二七、キャピタル中央ビル三階、電話022・265・2080、八五席)営業時間=午前11時~午後10時、不定休/一日食数=約一〇〇食(駅前中央店)
◆食材の決め手 絹ごしとうふ 上村豆腐店
トロリと舌の上で、とろけんばかりの滑らかさ。大豆の味がはっきり際だつ豆腐の甘みが、とろみあんの塩気と絶妙なバランス。愛用の理由はズバリ「そのまま食べても本当においしいから」。
豆腐の製造において、多くの店が機械を導入している中で、一二〇年前から続く手作業での製法を守り続けるうえむらの豆腐。「たんとうふ」は、まさに老舗が誇る食材の競演なのである。
問い合わせ=上村豆腐店(仙台市青葉区大町、電話022・222・2810)