多忙でも読める外食ニュース
●串カツ田中の新業態 高級厚切り豚カツ店
串カツ田中ホールディングスが、豚カツの新業態「厚切り豚カツ 厚とん」を東京・五反田に出店。山形の「庄内豚」、鹿児島の「黒豚」、沖縄の「琉香豚」という3種類の銘柄豚を取り揃え、厚切りにした豚カツに仕上げて定食スタイルなどで提供する。ご飯の器に豚カツとパクチー、温玉をのせ、オリジナルのニンニク醤油ダレをかけて食べる、新しい「カツ丼」のスタイルも提案。オープンは3月だったが、5月になって公式なリリースが発表された。
解説=庄内豚のロースカツ定食(150g)が2300円、琉香豚のヒレカツ定食(120g)は2500円、黒豚の厚切りロースカツ定食(250g)は3600円(各税抜き)。従来業態とは異なる高単価なブランドとなる。
●キャナルシティ 博多にバー&グリル新業態出店
九州・福岡の商業施設「キャナルシティ博多」に、フォンスが「THE CITY BAKERY」の新業態バー&グリルを出店。この新業態は九州の食材を使った鉄板焼きの派生ブランドで、既存のベーカリー&カフェ業態と同時に2店舗での出店となった。魚介や肉、野菜を使った鉄板焼きの料理に自家製のパンを添えて提供し、昼間の食事利用だけではなく、夜間の飲酒利用も狙う。「キャナルシティ博多」が新たにオープンしたグルメゾーン「KUOHKA(くおうか)」内への入居となる。
解説=「キャナルシティ博多」は1990年代の半ばに開業した老舗の都市型商業施設。話題の商業施設を多く手掛けた米国の建築家が設計し、そのユニークな外観でも知られる。今回、新設された飲食ゾーンには全21店舗が入居。
●トリドール「MARUGAME」 中東ドバイに初上陸
トリドールホールディングスは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにフランチャイズ運営の「MARUGAME UDON」ブランド店舗を初出店。中東地域における同ブランドの出店も初となる。同店では、取り扱うすべての食材についてハラール認証を取得。日本らしさを打ち出す「テリヤキチキンうどん」や、大豆ミートを使用したベジタリアン向けの「スパイシーまぜうどん」などのメニューを導入。当面の目標として、同国では今後5年間で10店舗の出店を計画しているという。
解説=同ブランドは海外9の国と地域で300店舗以上を展開しているが、好調な国内事業に比べて収益性が低い。同社は、赤字を計上していた英国事業を地元の外食企業に売却しフランチャイズ化するなど、収益性の改善を図っている。
●中国料理「聘珍樓」 3度目の倒産で消滅か
横浜中華街で、中国料理の老舗として知られる「聘珍樓」を運営する法人が破産開始決定を受けた。前身となった旧・聘珍樓は1884年の創業だが、2017年に特別清算開始命令を受けている。その後、同名の別企業2社がそれぞれ「聘珍樓横濱本店」と、その他の店舗を引き継ぎ営業を続けていた。しかし、「横濱本店」を運営していた聘珍樓も2022年に倒産。これにより「横濱本店」は閉鎖となり、日比谷や吉祥寺、大阪などにあった店舗を運営する法人のみが営業を続けてきた。
解説=複雑な経緯をたどった「聘珍樓」は、現存する日本最古の中国料理店ともいわれた。そのブランド価値を生かし、百貨店での食物販やネット販売などにも参入。しかしコロナ禍の影響などが大きく、再生することができなかった。
●フォーシーズがベーカリーの新業態
埼玉県に開業した商業施設「ららテラス川口」に、フォーシーズが新業態の「あおやまベーカリー」を出店した。食パンやハードパンをはじめ、埼玉県産の食材を使用したカレーパンやデニッシュ、スコーンなど、日常利用できるパンを50種類以上取り揃えたフルライン型。店内にイートイン席があり、フードコートにも隣接しているため、購入したパンをすぐ食べることもできる。同社は、「ジョエル・ロブション」の名を冠するパン専門店を東京・渋谷と新宿の商業施設に出店している。
解説=「ららテラス川口」は、JR川口駅前のロータリーに面する商業施設。2021年に閉店した「そごう川口店」の建物を、三井不動産がリニューアルして開業した。「あおやまベーカリー」は同施設内で唯一のベーカリーとなる。
●「CoCo壱番屋」米領グアムに初出店
壱番屋が展開するカレー店「CoCo壱番屋」が、米領のグアムに初出店。同ブランドとしては海外216店舗目であり、このうち米国本土とハワイには、すでに11店舗を展開している。現地企業によるフランチャイズ店舗。
●「俺の」ブランド11年ぶり和の新業態
「俺の」ブランドの飲食店を展開する俺のが、新業態「俺の炉ばた」を出店。フレンチとイタリアンの両方を提供する新店「俺のフレンチ・イタリアン」も同時にオープン。同社が和の新業態を出店するのは11年ぶりという。
●「シズラー」1号店休業後に再オープン
ロイヤルホールディングスが、サラダバー&グリルレストラン「シズラー」の新宿三井ビル店をリニューアルオープン。「シズラー」は米国のブランドで、同店は1991年に開業した日本1号店。2023年から改修工事のため長期休業していた。
●鳥貴族が創業40周年 「記念館」オープン
エターナルホスピタリティグループ傘下の鳥貴族が、「鳥貴族」の創業40周年を記念して、大阪に「鳥貴族記念館」をオープン。歴代のメニューやノベルティグッズなどを展示し、アンケート回答で記念品を進呈する。入場は無料だが、予約制。
●アンカー・ジャパン カフェ併設売店出店
モバイルバッテリーなどのメーカーであるアンカーの日本法人アンカー・ジャパンは、販売店舗「アンカー・ストア」として初となるカフェ併設店を東京・汐留に出店。全席に充電設備があり、サンドイッチやカレー、アルコール飲料なども提供する。
●一風堂グループ インドネシア法人設立
「一風堂」などを展開する力の源ホールディングスは、インドネシアで新たにハラール業態の飲食店を展開するため現地法人を設立すると発表した。同社グループのシンガポール子会社とインドネシアの孫会社が出資する曾孫会社として設立される予定。
●北海道庁旧本庁舎に「白い恋人」のカフェ
赤れんが庁舎の愛称で親しまれる札幌の北海道庁旧本庁舎が大規模な改修工事を終え、北海道の代表的な菓子メーカー石屋製菓がプロデュースするカフェを備えて、観光施設として新たに開業。石屋製菓は、土産品菓子「白い恋人」で全国に知られる。
●ゼットンが横浜に夏季限定の店舗運営
アダストリア傘下のゼットンは、横浜の一軒家レストラン「山手十番館」で、テラス席を使った夏季限定の「丘の上ガーデンテラス」を運営。平日は夕方以降の営業で、かき氷やビアガーデン、バーベキューなどを提供。実施期間は5月末から9月。
●仏ベーカリーが駅型の小型新業態
名鉄協商が運営するフランスのベーカリーブランド「ゴントラン シェリエ」が、新業態の「ゴントラン シェリエmini」を東京・自由が丘にオープン。定番のクロワッサンと、小さめサイズにアレンジしたクロワッサン、クイニーアマンを販売する売店型の小型店。
●吉野家傘下のシェアR累計1000店に
吉野家ホールディングス傘下のシェアレストランは、同社が運営する飲食店間借りマッチングサービスの累計開業実績が1000店舗を超えたと発表した。既存の飲食店を間借りすることで新規開業したい起業者を支援するサービスとして、2020年にスタートした。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略