メニュートレンド:牛・豚・鶏のハラミ勢揃い! フードのほぼ半分がハラミ料理

手前が「9種の極上ハラミちゃん焼き」。奥中の赤ワインソースや中央のポン酢ジュレ、中右のドレッシングなどを自家製して、店の味を追求。牛ハラミ料理は14品、豚ハラミ料理は2品、鶏ハラミ料理は3品をラインアップする
“正肉ではない(内臓肉)”ことからサーロインやカルビより格下扱いされてきた「ハラミ」。時代は変わり、今や焼肉店でも肉バルでも男女問わず支持される主役級に躍り出ている。そして、いよいよ「ハラミ専門」を銘打つ肉バルまで登場。埼玉・大宮の「ハラミ専門酒場 ハラミちゃん」を取材し、ハラミ肉の可能性を探った。
●自家熟成でハラミと店の価値向上!
デザート含むトータル40品のフードのうち、ハラミ料理はほぼ半数の19品。しかも牛肉のハラミだけでなく、豚ハラミや鶏ハラミの料理までラインアップしている。調理法も、肉刺し、タリアータ(ステーキ)、カツ、丼飯とほぼ全カテゴリを網羅。ハラミの専門性をとことん打ち出している。
写真の米国産プライムビーフのサガリを厳選する「9種の極上ハラミちゃん焼き」は、一口サイズのサイコロ・ステーキに、赤ワインソース、東松山味噌、黄金ゆずこしょうなど9種の薬味をトッピングして、“いろんな味をちょっとずつ楽しみたい”女性客のニーズをキャッチした看板商品。
「豚ハラミちゃんのやきとん」は、埼玉・東松山の名物やきとりをアレンジ。東松山味噌はそのままに、豚カシラを豚ハラミにチェンジしたうえで、スペイン料理のプランチャー(鉄板焼き)風に焼いてバル業態に最適化している。
「鶏ハラミちゃん おろしポン酢」は、定番の鳥皮ポン酢を鶏ハラミ肉にチェンジしたつまみ料理。牛豚ハラミはどちらも横隔膜周りにある赤身肉のことだが、鶏ハラミはヒトでいうところの“腹筋”に相当する。内臓を支える部位だけにコリコリとした硬さが特徴だが、仕込みの段階でコンフィにすることでしっとりと食べやすい歯応えになるよう工夫を凝らしている。
ハラミ料理のバリエーションだけの専門店ではないところが、同店の特筆すべきポイント。「専門店としてのブランド力を高めようと考えて着目したのが“熟成肉”でした」とオーナー・シェフの高井祐人さん。熟成肉を研究する専門企業の勉強会に参加するなどして、その仕組みとノウハウを習得。熟成ハラミを自家製して、専門店としての競合優位性を確立させたのだ。
質実両面から独自性を追求した熟成ハラミ料理が支持され、近隣施設でのイベントに訪れた一見客と、地元客をバランス良く集客。現在は2店目出店に向けて準備を進めている。
●店舗情報
「ハラミ専門酒場ハラミちゃん」
所在地=さいたま市大宮区桜木町2-161-2 大宮YKビルB1階/開業=2022年3月/坪数・席数=24坪・38席/営業時間=17時~23時30分。不定休/平均客単価=3800円
●愛用食材
「狭山茶 抹茶」新井園本店(埼玉県所沢市)
地元食材活用で付加価値アップ
同店は埼玉産の野菜や特産品を多く取り扱っており、“イートローカル”の姿勢も打ち出す。中でも同品はデザートの「狭山抹茶わらび餅 黒蜜がけ(税込み418円)」やドリンクの「狭山茶割り 抹茶(同429円)」などに活用して付加価値アップにつなげている。
規格=1kg