近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:博多伽哩食堂「とんこつカレー」

2012.11.05 404号 16面
席上の紅ショウガと高菜漬けもユニーク。豚骨ラーメンのトッピングを見習ったものだが、これが大人気で、とくに高菜漬けは山盛りにされることも珍しくないという

席上の紅ショウガと高菜漬けもユニーク。豚骨ラーメンのトッピングを見習ったものだが、これが大人気で、とくに高菜漬けは山盛りにされることも珍しくないという

 福岡市の「博多伽哩食堂」は、ありそうでない“豚骨カレー”を打ち出したカレー専門店。豚ばら軟骨とゲンコツの豚骨スープで分厚いうま味とコクを演出し、カレーの差別化に成功している。

 土田英滋店主(40歳)は「誰もが考えつきそうなアイデアですが、白湯だと個性がぶつかり合ってミスマッチ。だからメニュー化されなかったのでしょう。でも、弱火で長時間炊いた清湯に近い豚骨スープだとベストマッチ。うま味とコクが引き立つ、味わい深いカレーに仕上がります」と明かす。

 定番料理の差別化に役立ちそうな豚骨カレーを紹介する。

 ●営業の概況:カレーでは高い客単価1,100円

 店舗立地は、ヤフードーム球場の商業施設・ホークスタウンの一角。2011年11月に13坪・25席で開業した。特殊立地のため集客数にはむらがあり、繁忙日は1日250~300人、閑散日は50人前後。とはいえ“とんこつカレー”という明快なコンセプトが付加価値となり、客単価は1100円と高め。ネットで知った遠方からのフリーク客も多い。

 ●特徴と調理:カレールー20kgに対し豚骨6kg

 分厚いうま味とコクが特徴のカレールー。豚骨の使用量は、1回分の仕込量・カレールー20kgに対し、豚ばら軟骨5kg、豚ゲンコツ1kg。

 調理方法は、(1)豚ばら軟骨をサイコロ状にカットし、10時間炊き出し、トロトロになった豚ばら軟骨を取り出す。(2)豚ゲンコツを別鍋で同様に炊き出す。(3)数種類のカレー系フレークとドミグラス系フレークと(1)(2)を合わせて煮込む。(4)注文ごとに小鍋で(3)と豚ばら軟骨を合わせて煮込む。

 ●発祥と展開:ラーメンからカレーに変更

 土田店主は約20年間、洋食・和食の料理人を務め、豚骨ラーメンでの独立を目指し「豚ばら軟骨スープ」を考案した。物件を模索中、カレー店だった居抜き物件(現店)に着目。試しにスープをカレーに転用したところ、絶妙な味わいが完成し、思い切ってカレー店に変更した。

 現在も豚ばら軟骨スープの応用に躍起で、とりわけカツオだしと割ったスープが鍋物に合うことから、2店目として和食店の経営を思案中。かたや店舗プロデューサーとしても活躍し、現在2店舗の出店準備に奔走している。

 ●店舗情報

 「博多伽哩食堂」

 所在地=福岡市中央区知行浜2-2-1 ホークスタウンモール1/営業時間=午前11時~午後10時、無休/席数・坪数=13坪・25席/経営=(株)キッチンワークス

 ●エバラで再現!模擬レシピ「ハヤシルウ湿潤」「マドラスカレーフレーク」「豚骨清湯」でやってみよう!

 1人前当たりの分量

 鍋に熱した「豚骨清湯」(100~150倍希釈250~300ml ※好みで調整)に「ハヤシルウ湿潤」(20g)と「マドラスカレーフレーク」(20g)を加えて豚骨カレールーとする。

 ○使用食材

 「ハヤシルウ湿潤」 深い味わいとコク

 小麦粉とラードを直火釜で丹念に焼き上げ、野菜・果実をブレンドしたハヤシルウ。フレークタイプで溶けやすく、深い味わいとコクのある風味。

 規格=1kg

 「豚骨清湯」 便利な高濃度濃縮

 豚骨(ゲンコツ、カシラ、バラ骨)を炊き出し濃縮した高濃縮清湯スープ。スープベースのほか、スープのコクづけ、追い炊き用に最適。

 規格=1kg

 「マドラスカレーフレーク」 懐かしいベーシックな味わい

 昔ながらの懐かしさを感じさせるベーシックなカレーフレーク。溶けやすく使いやすいフレーク状で大量調理に適している。

 規格=1kg

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