川崎市で好評の弁当・総菜店「まみーでりか」 悪立地条件を逆手に
《工夫とアイデアで》 大型トラックが行き交う国道バイパス沿いの片隅が、「弁当・惣菜店」として理想的な立地といえるだろうか? 川崎市内に三店舗を構える弁当・惣菜店『まみーでりか』。その浜町店(川崎市川崎区、044(355)7058)は、こうした立地条件を逆手に、工夫とアイデアで克服、好評を得ている店である。
中小の工場、オフィス、住宅地が混在する中を国道バイパスが通り抜けている…京浜地域の典型的な姿が、同店の環境。
こうした、どこといって取り得のない周辺環境を考慮して同店は、二つの工夫を実行した。
その一つは、客層に合わせた二四時間メニューサービス。一日を大きく三つに分け、店内の品揃えをそれぞれの客層に向け、変化させた。
早朝から昼にかけては、タクシー、トラック便の運転手といったドライバー達と通勤、通学途中の人達が、通りがけに立寄る。それにあわせてコーヒー、牛乳などの飲料、サンドイッチなどの軽食を用意する。
昼は、付近の工場、オフィスに勤めるOLやサラリーマンが中心となり、弁当、白飯、惣材、寿司、味噌汁などがメニューの中心となる。
夕方から夜にかけては、主婦、単身者向けに惣菜(煮物、揚げ物、各種サラダ)や調理弁当(アツアツ弁当)が売れ筋商品となる。
深夜の客もおろそかにはできない。一般のCVSに比べ、同店は弁当・惣菜専門店なので、品揃えは豊富。
二つ目の工夫は、店内の品揃えを必要にして十分に配慮した点にある。白飯は、電子ジャーから好みの量だけ計り売りとし、世代を超えて人気のあるサラダ、コロッケ、おにぎりは、思い切りよく多種類を用意。一方、調理コーナーを設けたことにより、その場で即調理した「アツアツ弁当」を出すことができる。
ほかにも、味噌汁、サンドイッチ、アイスクリーム類は品揃えが充実しており、お弁当専門ショップの面目躍如といえよう。
こうしたアイデアを実現することによって経営を軌道に乗せたが、経営者の木虎正樹代表取締役(㈲グリーン川崎市川崎区、044(366)6361)は、終夜営業のデリカテッセンは、CVSの弁当コーナーに飽きた客層を呼び込める形にもなるので、十分に将来性が見込める、としている。
時間帯、客層に対応した“全方位外交”で、切れ目なく集客に成功した同店の例は他店にも飛び火しそうだ。
時間・客層別メニュー変化
深夜 タクシー運転手=飲料・弁当
朝 定期便等運転手=弁当
通勤・通学者 =飲料・サンドイッチ
昼 工場関係・OL=弁当中心、白飯惣菜
夕方 主婦 =惣菜中心
夜 単身者 =弁当・惣菜
深夜 学生・自由業 =飲料・サンドイッチ
即席ラーメン