シリーズ・売れる惣菜 「コメ料理」世界の名物料理は数百種

1997.07.07 130号 19面

世界にはコメをベースにした名物料理が非常に多い。各国のスーパーやハイパーで売られている。この加工品の種類は、数百種を超えよう。これに比べて日本はさびしい。

代表的な各国のコメ料理をみると――

●トルコ=ピラフの原点である。ピラフがトルコ語であり、コメ加工品を意味する。良質なコメを産出し、ピラフ料理のバラエティーも五〇種以上。食べてみると非常に美味で、数例をあげると――

サルタンピラフ(ミートボール、玉ネギ)、ナスのピラフ、アーモンドのピラフ、チキンピラフ、レバーピラフなど。

●スペイン=パエリアはバレンシア風炊き込みご飯で、エビ、ハマグリ、ムール貝、イカ、ソーセージ、鶏肉、ピーマン、オリーブ油とサフラン。平鍋で炊き上げる。これに似て隣国ポルトガルにもアロス・デ・マリコス(海の幸炊き込みご飯)がある。

●イタリア=コメをよく食べる国でコメコロッケやバター米粥も美味。サフラン入りミラネーゼはコメとサフランとマッシュルームと玉ネギを入れて炊く。美しい黄色のライスである。隣国フランスのプロバンスではサフランライスが添え物として出される。

●ギリシャ=コメと松の実などを中火でかきまぜるように炒める。仕上げにディル、ミント味に。これをブドウの葉(キャベツもある)で一口大に包む。ギリシャ人の移民は世界に多くみられ、移民の住む地にこのドルマは、スーパーなどでデリとして販売され、売れ筋となっている。

●インド=カレー天国であるが、コメが(特に東南部で)主食である。最大のごちそうがビリヤーニ。マトン、ニンジン、コーン、アワなどの炊き込みご飯で、金がかかるので年に数回しか食べない。プラオは鶏肉やヨーグルトを加えて炊くが、比較的手軽でよく食べられている。

また、チサル・チャワルと呼ぶサフランライスは、黄金のように美しく輝く。その他ライムライス、ココナッツライスはよく食べられている。

●インドネシア=ナシ・ゴレンはナシ(コメ)・ゴレン(炒める)のことで、日本でもよく知られている。マレーシアやシンガポールでは常食である。

あら刻みの鶏肉に野菜(ピーマン、玉ネギなど)を別々に炒めた後、同じ油でご飯を炒める。炒め上がったご飯に、先に炒めておいた材料を加えて弱火で加熱して出来上がる。

●タイ=魅力的なコメ料理の一つにカオ・オッ・サツポロがある。一般的な炒飯のカオ・パアッにパイナップルを加えて甘酸っぱくしたもの。容器にパイナップルを使用する。甘酸っぱさとナンプラ(魚醤)がよく合う。

また、カオ・クッ・カピはカピと呼ぶ蝦醤を使う。ご飯の色もピンク色に変わり、特有の香りと味が後をひく味と変わる。

●中国=代表的なコメ料理は炒飯で、南部に多い。広州炒飯と楊州炒飯になるが、前者は塩味、後者は醤油味。いずれも日本人好みのメニュー。

什錦炒飯は五目チャーハンで、豚肉、ハム、干し椎茸、干しエビ、卵、グリーンピースなどを、中火でゆっくりと炒めるのがコツ。

●アメリカ=ジャンバラヤと呼び、クレオールの料理。玉ネギ、トマト、植物タンパク、各種スパイス。これに鶏肉やシーフードを加えて炒めると出来上がり。南部の味となる。

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