“安全外食”元年 マクドナルド 取引全150工場をHACCP管理に
日本マクドナルド(株)(東京都新宿区、03・3345・8223)は取引している製造サプライヤー一〇〇社、工場数一五〇工場すべてのHACCPに基づいた製品製造管理への移行を12月で完了した。
同社のHACCP導入は三年前にアメリカのハンバーガーチェーン、ジャックインザボックスがミートパティの加熱不備からO157で死者を出した事件が発端となって世界のマクドナルドがHACCPに基づく衛生管理導入を決定したことによる。
三年前から原料、工場、店舗でそれぞれのHACCP構築に着手、原料・工場部門は九人からなる購買本部クオリティ・アシュアランス部が工場と折衝、アメリカの農務省基準より厳しいマクドナルド基準への対応を構築してきた。肉部門からスタートした一連の移行はパン、乳製品、ソース類、野菜と部門ごとに進めてきて卵部門で全取引工場とのマニュアル策定が完了する。
根岸正明クオリティ・アシュアランス部長は「マクドナルドの微生物的設定はお客様が夏場一番の猛暑時期に持ち帰った時を設定している。もともと当社は信用ある業者との取引がベースにあるので、HACCP導入といっても飛び抜けた作業ということではなく、これまでもあった重要管理点を再度見直して確認し、誰が、いつ、どのように監視し、記録するかをマクドナルド基準をクリアするようにマニュアルを移行してもらったということである。難しかったのは熱で殺菌できない非加熱処理商品の野菜と卵。マクドナルドのHACCPは工場だけ、店舗だけで完了するものではなく、原料からお客様までの一連の工程すべてをつないで初めて完成する」とHACCPが特別なことではなく、従来の衛生、品質管理の延長線上にあると語っている。