原発の風評被害考える 梶山弘志新経産相

総合 ニュース 2019.10.30 11962号 02面
梶山弘志経産大臣

梶山弘志経産大臣

梶山弘志経済産業大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の汚染物質浄化処理水の扱いへの受け止め方・考え方に対し、「海はつながっている。風評被害は大変大きなもの、関係者は大変悲痛な思いをしている。そういった思いも十分に承知をしているつもり」とした上で、国の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の総合的な議論に耳を傾け「本当に納得できることかも含めて私自身もそこから考えてまいりたいと思っている」との見解を示した。

同発言は、安倍晋三総理大臣に25日朝、辞表を提出した菅原一秀前経済産業大臣の後任として同日就任し、その後、経済産業省で行われた就任会見でのもの。冒頭には「総理からは東京電力福島原発の事故対応や福島の再生、日本経済を成長に導く経済政策の実施、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の妥結など戦略的な通商政策の実施、災害の経験も踏まえた責任あるエネルギー政策の実行などについての指示があった」と発言した。

梶山氏は、通商産業大臣、法務大臣、内閣官房長官を歴任した故・梶山静六氏の長男。第3次安倍3次改造内閣と第4次安倍内閣で地方創生担当大臣を歴任した。動力炉核燃料開発事業団(現・日本原子力研究開発機構)での勤務経験もあり、原子力政策に精通している。

25日朝の菅原氏の辞任は、17日午後6時からの有権者の通夜に自らの秘書が香典を届けた現場の写真付きで週刊誌が前日の24日に報じたことを受けてのもの。公職選挙法違反が疑われている。自身の問題で国会審議と経済産業行政が停滞することは本意ではないというのが辞任の理由。(川崎博之)

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