アサヒ飲料、「三ツ矢」「ウィルキンソン」過去最高の販売数量

清涼飲料 ニュース 2021.01.18 12172号 02面
「三ツ矢サイダー」(PET500ml)(右)と「ウィルキンソン タンサン」(PET500ml)

「三ツ矢サイダー」(PET500ml)(右)と「ウィルキンソン タンサン」(PET500ml)

 ●“巣ごもり”追い風に支持拡大

 アサヒ飲料が発売する炭酸飲料ブランド「三ツ矢」「ウィルキンソン」の2020年の年間販売数量が過去最高を更新した。「三ツ矢」の20年の販売数量は4075万箱(前年比4%増)となり、13年の4007万箱を超え、137年の歴史の中で過去最高の販売数量を記録した。「ウィルキンソン」は2966万箱(同10%増)となり、13年連続で過去最高の販売数量を更新している。コロナ禍による家庭内でのリフレッシュニーズに応えた形だ。

 同社は昨年、「炭酸カテゴリーの強化」を事業方針に掲げ、日本生まれ、日本育ちの1世紀ブランドの両ブランドを中心に、炭酸飲料ならではのおいしさや情緒的価値を提供することに注力した。

 同社の炭酸カテゴリーは同7%増と大幅に拡大しており、両ブランドの伸長が大きく寄与している。

 「三ツ矢サイダー」は(1)昨年4月に従来品よりラベルを短く薄くし、見た目からも爽快感をさらに感じられ環境にも優しいパッケージに変更(2)年間を通じて広告キャラクターに日本を代表するグループ「嵐」を起用し、消費者とのタッチポイントを拡大した–ことなどが奏功した形だ。巣ごもり需要で高まる爽快感ニーズに対し「三ツ矢サイダー」が有する「安心感」や「品質の良さ」という価値をユーザーが認識し、休眠層をはじめとするユーザーの獲得につながったという。加えて「『三ツ矢』特濃」シリーズなどの新商品も好調に推移し、「三ツ矢」ブランドの成長に貢献している。

 強炭酸の“刺激、強め。”という独自価値のさらなる強化を図った「ウィルキンソン」は、巣ごもり需要により、直接飲用やお酒の割り材として購入機会が増加している。中でもPET1Lは直接飲用としても、家飲みでの割り材としても十分利用できる容量であることが支持され、同約69%増と大きく伸長した。

 同社は「コロナ禍における飲料購買の意識に関する調査(同社調べ)を行ったところ、消費者が“いつも選んでいる定番のブランド”“よく知られた安心感のあるブランド”を選ぶ傾向があることが分かった。日本生まれの100年以上続く両ブランドが支持を得ることができたのではないかと考えている」としている。(本吉卓也)

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