家庭用オリーブオイル、再成長へ追い風 課題の購入率大きく増加

プレミアムオイルの筆頭格、オリーブオイルに再成長の追い風が吹き始めている。21年、コロナ下での内食増に沸いた20年の反動で久しぶりの前年割れとなったが、課題であった購入率は大きく増加。さらに今夏以降はコロナ当初からの生活必需品優先の需要から、プレミアム分野を日常に取り入れる動きへシフトする生活者心理の変化が予想されるなど、拡大への好機が到来している。

18年以降、継続して400億円台をキープし、一時はキャノーラ油をしのぐなど家庭用食用油トップクラスの金額規模を抱えるオリーブオイルだが、かつての最大の特徴は驚異的な“伸びしろ”にあった。キャノーラ油はもちろん、カテゴリー3位のごま油と比較しても購入率は直近まで非常に低く、コロナ以前は5割前後(本紙推定)にとどまるなど、極めて大きい潜在需要が想定されていた。

一方でコロナ以降は内食増・定着に伴い、比較的購入しやすいピュアタイプや小容量品を中心にトライアルが多発。特に若者層や非シニア層などの新規エントリーが増大し、生使い(生食=かける・あえるなど)の間口が拡大した。さらには複数回に及ぶ汎用油の価格改定(売価上昇)に伴い、オリーブオイルの汎用油使い(=揚げる・炒めるなど)も拡大している。

22年下期以降は生活者心理がコロナ以前のものに徐々にシフトするともいわれており、プレミアムオイルの筆頭格であるオリーブオイルには、絶好の追い風。ピュアタイプを中心に広げた「間口」を、特にエキストラバージンが持つ奥深さや独自の世界観、ほかにはない鮮度やおいしさなどで「奥行き」へとつなげる好機だ。

オリーブオイルは家庭用食用油の規模拡大をけん引した最大の功績ジャンルであり、“映える”世界観や健康・美容感、普段の料理を“ハレ化”する魅力など、現代に正面から適合する優れた特性を持つ。

今夏も参入メーカーでは、食シーンの拡大を狙う活性施策を展開。中期的な視点となるが、かねて待望視されている前人未到の500億円規模へ向け、再度の成長基調に期待がかかる。=関連記事「オリーブオイル特集」(村岡直樹)

●関連記事「オリーブオイル特集」

https://news.nissyoku.co.jp/special/859854

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