プリマハム、「タイソン」チキン製品で積極キャンペーン

世界最大のチキン・パッカーである米タイソン社のチキン製品が日本市場に投入されてすでに五年がたつが、プリマハム㈱(東京都大田区、03・3767・8611)食肉事業本部は5月から三ヵ月にわたって、タイソンチキンのキャンペーンを行っている。これは昨年10月に行った五周年キャンペーン(三週間)に次ぐ第二弾で、今回はタイソンチキンの代名詞ともなっている瞬間冷凍ブロイラーのIQFとレッグミート(もも正肉)を対象品目とし、「タイソンチキンプレミアムグッズプレゼントセール」を実施している。前回キャンペーンでは大手量販店をはじめ百貨店、ファミリーレストランなどで大々的なタイソンチキンのセールが行われ、10~11月の二№月で前年比七三%増と大きな実績を上げている。

今回のキャンペーンに先立って、タイソン社は4月に日本で行われたグレート・アメリカン・フードショーにも出展し、同社のウォーマック副社長が来日してプリマハムが行うキャンペーンを全面的に支援することを表明した。

タイソン社は年間一四億羽の鶏を処理する世界最大のパッカーで、全米で二六%のシェアを占めている。日本に供給されるメーンアイテムは、個別瞬間凍結処理されたIQFブランドで、正確にサイズを整えた骨付きチキン。IQF処理は屠鳥後八時間の熟成期間を設けた後、個別に瞬間冷凍して鶏肉のうま味を封じ込めた商品で、解凍時に肉質が変化せず品質面でも優れた商品とされている。USDA(米国農務省)からも最高品質として認定され、価格競争のターゲットになりにくいという強さも持っている。

同製品はサイズが均一化されているため、特に量販店や外食分野で作業を容易にし、標準化できるというメリットがあり、量販商材としても受け入れられている。この他、骨抜きされた「もも正肉」も同社の有力商品として投入している。

タイソン社は日本市場への参入に際してブランドマーケティングの手法を取り入れ、日本の販売元三社ともタイソンのブランド入り商品を前面に打ち出して市場拡大を図っている。これは従来のチキンの販売方法と異なり、品質を重視した銘柄としての確立を狙ったものとなっている。

タイソン社は昭和61年に日本市場に参入して以来、IQFを主力にしながらアイテムの拡大を進めている。同63年からはフライドチキンなどの調理済み食品八アイテムの販売を開始した。今後、さらにアントレーと呼ばれる電子レンジ対応商品の導入も検討している。

プリマハムでは、今回のタイソンチキンキャンペーンで得意先用としてゴルフパラソル、マグカップ、オリジナルテレホンカードを用意してプレミアムグッズプレゼントセールを展開しており、前回の実績を上回る販売数量の拡大とシェアアップをめざしている。

〈タイソンフーズ社の概要〉▽創業‐一九三五年▽事業内容‐食鳥生産及び処理加工、冷凍食品加工販売、養豚事業▽本社所在地‐米国アーカンソー州スプリングデール▽従業員‐四万五〇〇〇人▽工場数‐五三▽資本金‐一億七八〇〇万㌦(約二五〇億円)▽売上高‐九〇年度三八億二五二七万㌦(約五三五五億円)▽食鳥処理数‐年間一四億〇四〇〇万羽(全米シェア二六%、平成2年の日本全国で七億五〇〇〇万羽。生産規模全米一位)

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