チリ貿易振興局、修好100周年でワインなど産品PR

チリ外務省貿易振興局(プロチリ)は、日本チリ修好一〇〇周年を祝して、「チリ展」「チリワインセミナー」などを相次いで開催、チリ産品のPRを積極展開した。「チリ展」は9月3~16日の期間、日本貿易振興会(ジェトロ)との共催で東京・池袋のサンシャインシティで開催。チリ側が付加価値の高い加工産品の輸出を望んでいることから、建築部材や木製家具、加工食品などの新規参入企業を日本市場に紹介した。またチリ独立記念日に当たる18日には、プロチリの主催で加工産品の先駆けともいうべきチリワインのセミナーを都内全日空ホテルで開催。チリワインでは初のソムリエ向けセミナーで料飲店関係者にアピール、ブームから定着に向けて、さらに一歩駒を進めた。

今年は、日本とチリが修好通商条約を締結してちょうど一〇〇周年。エドゥアルド・フレイ大統領や政府関係者が多数来日、さまざまな記念式典を開催しており、「チリ展」などもその一環として行われた。

チリにとって、日本はアメリカと並ぶ最大貿易相手国。日本のシェアは、チリの対外輸出の約一七%にも達している。チリの豊富な資源は日本で注目を集めており、特に主要輸出品目のトップである銅鉱を中心とした一次産品対日輸出額は、九六年で年間約二八億円(ジェトロ調べ)を計上した。その一方で、対日輸出主要品目が一次産品に片寄っている点も指摘されていた。今回チリ側は、日チ間貿易の健全な発展のステップとして、付加価値の高い加工産品の輸出を希望していたことから、「チリ展」では、まだ日本に進出していない加工品メーカー二五社余りを日本市場に紹介。安い人件費と安定的供給が可能な加工技術力を売りに、加工産品部門でも日本市場に深く参入したい意向だ。

またチリワインセミナーは、日本ソムリエ協会の後援で、ソムリエ向けに一五種類の赤ワインのテースティングを行った。ゲストとして出席したチリのマスター・ソムリエのエクトル・ベルガラ氏、ホテル西洋銀座ソムリエの田崎真也氏は、気候の恵みによる良質なブドウ、年々レベルアップしている品質基準と味わいを大きく評価した。同セミナーには一二〇人余りが出席、一〇〇周年記念事業と合わせて大きく盛り上がりをみせた。

チリワインは、これまで家庭内消費が過半数を占めており、ニューワールドワインであること、また低価格であることなどからイメージが低く、ホテルなどの業務用では積極的に受け入れられていなかった。今回、初めてソムリエ向けにセミナーを開催、業務用として十分扱う価値のあるワインであることをアピールした。

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