浅漬け・キムチ原料ひっ迫の恐れ 台風被害・増税が追い打ち

全ての漬物原料が天候に左右される

全ての漬物原料が天候に左右される

秋の台風の影響で、年明け以降、白菜などの浅漬け・キムチ原料がひっ迫する可能性が出てきた。また、増税が影響して総合スーパーのシャワー効果が得にくくなり、消費も鈍っている。各メーカーは、年末商戦に向け、例年の動きに戻ることに期待を寄せている。

世界的な気候変動により、ここ数年、各地で本来収穫できるものができない状況で、原料調達には苦労している。季節に応じ産地を代えて収穫するシステムが崩壊しつつある。

浅漬け原料は天候に左右されやすい。関東地区では9月までの上半期は豊作傾向で、白菜を中心にほとんどの原料野菜の生育は順調だったが台風が大きな被害をもたらした。上半期は品質の良い原料の手配が容易だった。

全ての漬物原料が天候に左右される

長野産白菜が11月中旬まで品質の良いものがあり、それを保存している。茨城産は台風の前後も日照不足で雨が多く、その後もかん水した畑はなかなか水が引かず病気が発生している。

年末商戦は長野の在庫でクリアできても在庫を消化した後、1~3月は全般的に不足する懸念が出てきた。茨城の生産者は病気が進行する前に出荷しようと、小玉になっている。青果相場が上昇すれば浅漬けの売れ行きは上向く。
 
キムチは例年並みで推移している。台風以外の影響としては、昨秋の健康情報番組でキムチの食べ方、健康・美容効果が放映され、小さなキムチブームがあった。それと比較すると1割弱落ちているという。

キムチも同様に年明け後は原料価格が上昇する。前半は豊作傾向だったため、価格競争が激化していた。前年のブームだったキムチ、梅関係、酒かす、麹はなくなった格好だ。

また、増税で生活関連の商品が10%になったため、大手総合スーパーなどではシャワー効果による食品の“ついで買い”が減少している。

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