「体の疲労サポート」など機能別商品陳列も ドラッグストアの新市場創出へ

「食と健康」市場創造を提案した第18回JAPANドラッグストアショーの展示ブース

「食と健康」市場創造を提案した第18回JAPANドラッグストアショーの展示ブース

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が加盟ドラッグストア各社と協力して進めている“食と健康”に照準を合わせた市場創造の取組みで、消費者が知りたい機能別の棚表示の21例などを「健康食品の販売方法、情報提供等に関する自主基準(案)」(健康食品等自主基準)にまとめた。

「食と健康」販売方法の自主基準まとめる

JACDSが7日までに消費者庁の表示対策課、厚生労働省医薬・生活衛生局の総務課、監視指導・麻薬対策課、医薬安全対策課、食品基準審査課から同基準案の確認をとった。これによって新しい市場の創出を狙う“食と健康”の新たな商品分類に基づく商品陳列による売場での販売の具体化の準備が整う。

JACDSは2019年度事業として「『食と健康』市場創造 販売マニュアル」の作成を進めてきた。健康食品等自主基準はその根幹を支える。

健康食品等自主基準案とともに今回確認をとった棚表示の21例は「髪サポート」「顔サポート」「目サポート」「耳サポート」「鼻サポート」「歯・口サポート」「手足サポート」「骨・関節サポート」「筋肉サポート」「皮膚・粘膜サポート」「体の疲労サポート」「血圧サポート」「お腹サポート」「メンタルサポート」「ストレスサポート」「睡眠サポート」「認知サポート」「尿酸サポート」「血糖サポート」「コレステロールサポート」「中高年者サポート」。

従来の売場は、ブランド別、成分別で主に売れ筋商品を中心とした陳列のため、セルフ販売が中心、必要に応じての相談対応となり、店頭での独自の訴求、口頭による情報提供はしにくかった。

“食と健康”の新たな商品分類に基づく商品陳列棚の棚割りでは、棚表示21例を活用して消費者が知りたい機能別に展開できるため、機能ごとの成分特性などについての相談件数の増加が期待でき、医薬品との相互作用などの情報提供もしやすく安全性が向上する利点がある。

消費者庁の表示対策課、厚生労働省医薬・生活衛生局の4課が棚表示21例とともに健康食品等自主基準案を確認した背景には、2019年6月21日の規制改革実施計画の閣議決定がある。

同計画では、機能性表示食品に対する法執行方針の明確化と機能性表示食品制度の運用における連携強化が求められていた。これを受けて消費者庁では2019年10月から、「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針(案)」(事後チェック指針案)の策定に乗り出していた。

事後チェック指針案は1月16日に公表、2月14日まで意見を受け付けている。このほか、事業者の自主的な表示適正化の取組みも支援してきた。

JACDSは、千葉市美浜区の幕張メッセで開催する第20回JAPANドラッグストアショー(3月19~21日)で「JACDS『食と健康』市場創造セミナー 変わるドラッグストアの店頭表示 徹底解説」を開き、講師として消費者庁の表示対策課の田中誠特命室長を招く。講演では4月1日から運用開始予定の事後チェック指針案の考え方に基づく「ドラッグストアの店頭広告とその注意点」の解説を依頼するほか、19日発表予定の健康食品等自主基準についてあらためての確認も求めることにしている。

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