1000人の「オンライン飲み」に記者も参加 若者のビール需要拡大のチャンス

最大1000人が同時にアクセス

最大1000人が同時にアクセス

新型コロナウイルスの感染拡大もあって、ネットを活用した家飲みが広がっている。ビール最大手のアサヒビールがスマホやパソコンで参加できる「オンライン飲み」を打ち出し始めた。若者のビール需要の活性化を狙い、25日に1000人規模のイベントを開催。ネットの時代に生まれた新たな飲み方をオンライン飲み初参加の記者が実際に体験してみた。

自室にいながら部屋着で参加

25日午後6時、オンライン上で開かれた「いいかも!オンライン飲み ASAHI SUPER DRY VIRTUAL BAR」がスタート。自室のパソコン画面の向こうに見知らぬ人の顔と部屋のもようが映る。

参加者はオンラインビデオ会議ツール「zoom」を使って参加する。スマホやパソコンを通じて、抽選で選ばれた満20歳以上の一般消費者が最大1000人同時につながることができる。若い女性から60代と見受けられる男性まで幅広い層の人が参加しているようだ。音声は回線の混乱を避けるため消音設定となっている。

参加者の映像は小さく分割されて画面に映し出される。画面越しとはいえ、初対面の人とリアルタイムでつながっていると思うと多少の緊張感はあったがすぐに慣れた。リアルな飲み会とは違い自室にいながら参加できるので、リラックスした状態で進められる。部屋着で参加できるのもうれしい。

そうこうしている内に、司会を務める芸人コンビ、三四郎の相田周二が登場。続いて、相方の小宮浩信とアイドルグループ・乃木坂46の秋元真夏、アサヒビールイメージガールの高田里穂がそれぞれzoomを使って登場した。4人の音声は流れる状態となっている。参加者の中には秋元のファンも大勢いる様子だ。

オンライン飲みに参加した秋元真夏

午後6時21分。秋元の音頭で乾杯。参加者は各自用意した酒を手に持ち、自分のカメラに向かって一斉に乾杯する。この瞬間は参加者の消音が解除されそれぞれ乾杯の声がスピーカーから聞こえる。記者も手元の缶の「スーパードライ」の栓を開け、画面越しに乾杯してみる。照れくさいような不思議な感覚がある。

秋元は「初めてファンと飲んだ」と語り、相田は「画期的な試み。1000人で一斉に乾杯なんて一生に一度あるかないか」とオンライン飲みの魅力をアピールした。

オンライン飲みに参加した小宮浩信

タレントと参加者のコミュニケーション企画も

今回のイベントでは、家でもおいしくビールを飲むための注ぎ方講座を実施したほか、タレントと参加者の双方向型のコミュニケーション企画も用意。参加者がバーチャル背景を使って回答するクイズやzoomのチャット機能を使った大喜利投稿のコーナーも実施した。

イベント開始から40、50分たつと記者も2缶目に手をかけ、酔いも回り始めだんだんと打ち解けてきたのを感じる。参加者の中にも酒を片手に笑っている人が多く見られるようになってきた。

オンライン飲みに参加した相田周二

アサヒビールは「人と人をつなぐことができる“ビール本来の価値”の伝達」を目指している。今回のオンライン飲みで今までの飲み方では得られない楽しみ方を発見してほしいという。

午後7時を回ったところでイベントも終盤に。相田と小宮がツイッターの投稿を紹介し、「久しぶりに良い飲み会だった」「あっという間」「初めてオンライン飲み会やったけどまたやりたいな」など肯定的な意見が多く寄せられた。イベントは開始から約1時間30分で閉会した。

オンライン飲みに参加した高田里穂

アサヒビールは今後、今回のイベントを皮切りに内容をブラッシュアップしながら5月末までに全4回実施する計画だ。第2回は5月4日を予定する。

ネットとともに育った若者にとって、オンライン飲みは抵抗感なく受け入れられるのかもしれない。若者のビール離れが叫ばれる中にあって、外出自粛の広がりを機に、新しい家飲みのあり方としてオンライン飲みが普及すれば、若者のビール需要拡大の大きなチャンスとなりそうだ。

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