手作り発酵食に期待するのは「わが家の味」「家族のいやし」…働く母親アンケート

たべぷろ編集部が働く母親100人に実施したアンケート(単位:ポイント)

たべぷろ編集部が働く母親100人に実施したアンケート(単位:ポイント)

朝晩は特に寒さを感じる季節となり、インフルエンザ予防にも関心が寄せられるようになってきた。さらに今年は新型コロナウイルスの影響もあり、「免疫力」というキーワードに人々は敏感だ。そこで日本食糧新聞社が運営する働く母親向けメニュー提案サイト「たべぷろ」では、全国の働く母親100人に、「手作りしたい発酵食品・発酵調味料」についてアンケートを実施した。その結果、どの食品・調味料も、仕事を持つ母親の限られた時間の中で「気軽に挑戦できる」ことが主たる理由にあげられた。さらに「わが家の味」の継承を願う母親の本音も見られた。

「混ぜるだけ」「漬けるだけ」がキーワードに

アンケートの結果、1位だったのは「ヨーグルト」だ。かねてより手作りしている人も多く、またヨーグルトメーカーや炊飯器でも作れることなど、作り方がいたって簡単な点も高評価のポイントだった。

また、2位の「ぬか漬け」も今や冷蔵庫で保存できるパウチタイプのキットもあり、かつての面倒・手間・ニオイが気になるといったマイナスイメージを払しょくしているようだ。

発酵食で家族の健康を守る!忙しい働くママも手作りしてみたいのは【たべぷろアンケート】

昨今の市販調理品でも「〇〇だけ」の提案が進む中、両者ともに「混ぜるだけ」「漬けるだけ」で完成する点は、働く母親にとって重要なポイントである。言い換えれば、そのくらい気楽に挑戦できるアイテムでないとハードルが高く、働く母親からは受け入れられないということにもつながる。

時短調理もかなう発酵調味料

発酵食品・調味料を手作りしてみたい理由として、「時短料理を可能にする」ことから4位・5位には「塩麹」「醤油麹」がランクインしている。一時ブームになったこともあり、特に塩麹に関しては料理に取り入れている働く母親も多いとみられ、使う頻度が多いことから手作りできれば経済的と回答。

また醤油麹についても、魚や肉を漬け込んで冷蔵保存しておけば、調理の際に冷蔵庫から取り出してあとは焼くだけ。あらためて味付けを考える必要もなく、さまざまな調味料を用意する手間も不要と、たべぷろの記事でも紹介している。

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醤油麹は簡単に作れる万能発酵調味料

「わが家の味」の継承にもひと役買う発酵食品・調味料

さらに、ヨーグルトにぬか漬け、そして3位の「味噌」に共通する事項に着目すると、「わが家の味」「手作りに込めた愛情」がキーワードとしてあげられる。

簡素になりがちな朝食に手作りの食品をプラスしてあげたいと手作りのヨーグルトを提供。母の味として記憶に残っているぬか漬けを、わが子にも受け継いでほしいと願う母親。さらに自身が子どものころに作った味噌が忘れられず、今度は子どもと挑戦したいと意気込む声もあり、発酵食品・調味料が単なる免疫力強化食材ではないことを物語っている。

ぬか漬けは「母の味」

発酵食品ブームは数年前から見られたものの、コロナの流行とともに免疫力アップ・腸活などが以前よりも注目されているように感じると、管理栄養士・料理研究家で上級麹士の資格を保有する西直美氏は話す。コロナ以前は、ヨーグルトやチーズ、味噌、キムチといった市販品を購入して取り入れるというスタイルが定番だったが、コロナを機に“自分の手でつくる”という方向に注目が集まっているそうだ。

自宅で過ごしたり自宅で食事をする機会が増え、あらためて食事の大切さや、食と体の関係について考える機会が増えたことで、忙しい日々の中、自分の手で作った発酵食品や調味料を使用する料理の時間が、自分のみならず家族をいやすことにもつながっているのではないかと西氏は見解を示す。

時間に制約のある働く母親にとって、混ぜるだけ・漬け込むだけで完成する発酵食品・調味料は家族の健康価値を生み出し、さらに子どもとのコミュニケーション時間の確保や次なる世代への味の継承という絆も創造している。(たべぷろ編集長 貞苅江梨子)

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