新型コロナ:農水省、牛乳・乳製品の消費促す 「プラスワンプロジェクト」で支援

農林水産省は21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対し酪農家を支援するため、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進する、「プラスワンプロジェクト」を緊急スタートさせた。緊急事態宣言の対象地域が全国へ拡大、学校給食や外食産業での牛乳・乳製品のさらなる消費減少が懸念されていることから、消費者に対してYouTube動画などで呼び掛け。開始直後からSNS上では個人、団体、企業らから多くの反響を生んでいる。

「毎日牛乳をもう(モ~)1杯。育ち盛りは、もう(モ~)1パック」と題し、買い物時に牛乳やヨーグルトを普段より1本、特に育ち盛りにはもう1パック購入することが、酪農家の応援につながることを強調。公式YouTubeチャンネルでは、牛乳乳製品課から、毎日の搾乳の必要性や、購入の協力を呼び掛ける動画を公開している。ツイッター上では「#プラスワンプロジェクト」のハッシュタグをつけた多くの投稿が早くも見られており、雪印メグミルクをはじめ、企業や個人から牛乳の消費を促進するレシピなどの共有が活発化している。また、明治は「検討し、取り組んでいく」(広報担当)との見解を示している。日本乳業協会は店頭POPを作成。会員メーカーと都道府県協会へ配信し、消費者への周知を図る。

新型コロナウイルスの感染拡大による業務用向け需要は大幅に減退しており、生産者団体、乳業メーカー、農水省は一丸となって行き場のない生乳がでないよう、バターやチーズといった乳製品への仕向けを進めてきた(本紙4月22日付既報)。しかしながら、緊急事態宣言の全国拡大と、6月に向けて生乳生産のピークが重なることで、生乳廃棄が生じる懸念が高まっており、農水省ではこのピークを乗り切ることが重要ととらえており、20日に開催された記者会見でも家庭内での積極的な消費を呼び掛けた。(小澤弘教)

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