ブルボン、産学連携でミネラルウオーター開発 阪神・淡路大震災25周年事業で
【新潟】ブルボンは29日から、神戸学院大学との産学連携・兵庫県の協力で、防災に役立つ情報をパッケージに盛り込んだミネラルウオーター「ひょうごBOSAI天然水500ml」=写真=を発売する。2020年1月17日に阪神・淡路大震災から25年を迎える節目に、震災25周年事業として共同開発した。
同品は、17年9月に神戸学院大学と兵庫県との間で締結された「地域創生に係る包括連携協定」に基づいた防災・減災分野の活動の一環。ボトルパッケージの作成には、兵庫県企画県民部防災企画局の協力で、地震、津波、大雨、土砂災害ごとに、ピクトグラムを用いて災害発生時の注意事項を2ヵ国語(日本語と英語)で掲載している。
さらに、「ローリングストック」の概念図を、兵庫県のマスコットキャラクター「はばタン」を用いて説明。また、兵庫県内の行政から発信される緊急情報や、防災情報を取得できる「ひょうご防災ネット」のQRコードも掲載。災害時にも正確な情報が取得できるようにした。
学生が主体となった実践的な製品企画や商品化により、売場で目を引くようカラフルに仕立てたほか、説明に英語や関西弁を取り入れるなど、固いデザインになりがちな防災用品を日頃から使いやすく親しみやすいパッケージに仕上げている。
同社は1923(大正12)年の関東大震災で地方への菓子供給がストップした窮状を見て、地方での量産工場による菓子作りを決意し創業。平成に入り、菓子事業に次ぐ社会貢献の柱としてミネラルウオーター事業へ参入を決定。全国一斉発売する予定で生産をスタートさせた95年1月17日に、阪神・淡路大震災が発生。ストック生産するはずだった水を急きょ救援物資として、神戸市など関西地区へ送り続けた。震災をきっかけとして創業した同社は、災害時に支援を優先することが原点でDNAでもあることをあらためて示した。
09年夏には、西日本エリアの拠点として、ポートアイランドに「神戸オフィス」を設置し、事業の多様化・グローバル化への対応を進めており、神戸とのつながりは深い関係となっている。(山本大介)