日本アクセス、冷凍物流の課題解決 マザーセンターの試験運営開始

卸・商社 ニュース 2020.09.25 12120号 01面
11月から試験運営を開始するさいたま市岩槻の「関東フローズンマザー物流センター」

11月から試験運営を開始するさいたま市岩槻の「関東フローズンマザー物流センター」

 日本アクセスは、冷凍物流の社会的課題解決に挑戦する冷凍マザーセンターの試験運営を11月から関東でスタートする。冷凍物流業界はドライバー不足などのリスクがある中、効率化が図られていないのが現状だ。メーカー主導ではパレット化が進まず、営業倉庫の寄託量も多いため危機的な状況が予想されている。同社が強みの冷凍カテゴリーでマザーセンターを設置することで合理化・効率化を図り、将来にわたって安定調達・供給を実現したい考えだ。(山本大介)

 同社は18年度からスタートした第7次中期経営計画で、フルライン卸として全温度帯に対応した独自の物流を構築し、小回りの利く高品質な物流サービスの提供を目指している。その競争優位のロジスティクス戦略として、昨年度から「冷凍マザーセンター構想」を打ち出した。

 宇佐美文俊取締役常務執行役員ロジスティクス管掌は、川上・川中の待機時間の問題解決やパレット物流推進などを踏まえ「冷凍物流業界は手詰めの世界で効率化が進んでいない上に、ドライバー不足がリスク要因となっている。メーカーとともに改善に取り組み、社会的課題を解決していきたい」と力を込める。

 冷凍マザーセンターができることで、取引メーカーの営業倉庫への寄託在庫量を削減するだけでなく、受発注集約で業務の効率化を図り在庫リスクを回避。納品車両の集約による物流費削減や、自社の総在庫圧縮、省人化機材投資による人手不足の対策にもつながる。

 加えて、コロナ禍で業務用の冷凍輸入食材の在庫が積み増し、営業倉庫の保管容積がひっ迫する中で、倉庫を必要とする中小メーカーも多い。

 新たに設置する「関東フローズンマザー物流センター」は、同社の物流パートナーがさいたま市の岩槻に新設した倉庫の一部を活用。11月2日に汎用センターからマザーセンターへの発注を開始し、3日から出荷する。コアとなる物量が必要だが「FS(実行可能性調査)フェーズではスペースの制約が多い」(同社)ため、大手メーカー10社前後限定でスタート。1年間かけて費用や運用面を検証する。

 新たな投資では、マザーセンター専用パレットを購入。マザーセンターと各汎用センター間は原則専用パレットに積みつけることで、ドライバーの積み込み時間、荷下ろし時間の大幅短縮を実現。ドライバーの労働環境改善と待機時間削減を目指す。さらに、荷受け側の汎用センター入荷検品作業軽減のため、パレットASN(事前出荷情報)を導入。マザーセンター出庫データから荷受け側汎用センターの入庫予定データが自動生成されるシステムを導入した。

 今後は、FSを経て東北や中四国など全国展開を進めていく方針。既に打診が来ている引き取り物流でも、マザーセンターから汎用センターへ横持ちする車両を有効活用できるため、積極拡大していく。

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