消費税総額表示、併記可能も誤認注意 すでに店頭告知の動き

小売 ニュース 2021.02.01 12181号 01面
サミットは1月からすでにレジ前などポスターを掲示して告知

サミットは1月からすでにレジ前などポスターを掲示して告知

 4月から消費税の税込みの総額表示が再び義務化される。総額表示を明瞭に表示すれば、税抜き本体価格なども併記できるが、消費者の誤認を招かぬよう注意が必要だ。首都圏の有力な食品スーパー(SM)のサミットは、いち早く1月から店頭で表示変更の告知をするなど準備を始めている。(山本仁)

 財務省が1月7日に示した「事業者が消費者に対して価格を表示する場合の価格表示に関する消費税法の考え方」によれば、税込み総額価格を表示する場合には「税込価格である旨」を示す必要はなく、税込み価格に併せて税抜き本体価格や消費税額、消費税率なども表示できる。ただし税抜き価格をことさら強調するのは消費者に誤認を与え、総額表示義務を満たしていないとされるため、注意が必要だ。ほかには個々の商品の価格表示が税抜き価格のみの場合でも棚札やPOPなどで、その商品の税込み価格が一目で分かるようになっていれば、問題ない。

 日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は「総額表示自体の問題は積み残したが、現状をベースにして4月を迎えられる」と安堵(あんど)感を示す。「本体価格のみのところは総額も表示する必要はあるが、お客さまに総額が分かるようにすれば、商品ごとに価格のタグを張り替えることもない。レジステムの変更もなく、4月は乗り越えられるだろう」と見通す。その上で「消費税法上の罰則はないが、消費者に誤認を与えないよう気を付けなければいけない」と指摘する。

 振り返ると04年4月、消費税法の一部改正での総額表示への義務付け変更が大きな影響を与えた。増税分を店頭売価に転嫁できず、激しい価格競争を招き、取引先の負担も増した。

 そうした弊害に対して、13年10月に消費税転嫁対策特別措置法が施行されて総額表示が緩和されたものの、今年3月末には失効するため、業界団体やSMの経営者などは警戒感を強めていた。総額表示は消費者にとっては分かりやすい半面、痛税感が薄くなるという問題は残したものの併記も可能で、小売事業者の立場からは負担が少ない形で移行できる。

 首都圏のSMでは4月に表示変更を告知する店は1月時点では少ない中、サミットではすでに店内の掲示板やレジ前にポスターを掲示して、いち早く準備を進めている。

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