そば・うどん特集 「笠置そば」ファストフード的店舗と高品質

1996.07.15 105号 12面

杵屋、そじ坊はオーソドックスなレストランタイプの店だが、この店はレストランタイププラスファストフードの運営形態を導入している。

笠置そば(笠置そばシステムズ=関東チルドフーズ事業協同組合、本社=東京・世田谷、03・5430・5558)は、平成6年7月の設立だが、独自の「ノウハウ」を武器にして直営一店、FC一七店を展開し、ここ一年内には四〇店のチェーンスケールになる見通しもついている。

会社設立二年でFC出店が一七店とはオドロキだが、それだけ集客、収益力があるということだ。

「おかげさまでハイスピードで出店数は伸びております。うちは最初にFC店を出しまして、直営店は後から出店していまして、逆さまにスタートしているのです。それだけ確実なノウハウ、技術、開発力があるということなんですが、結論的にいいますと、ずぶの素人、アルバイトの女の子でも、パートの主婦の人でも今日から店の運営ができるというシステムにあるということなんです。ですから、FC希望者は多いのですが、もう一つのポイントは投資コストも小さいということです」(笠置そばシステムズ・ゼネラルスーパーバイザー斉藤正信氏)

このチェーンの最大の武器は、湯気を出さないゆで麺機「水流式ユゲノン」(特許申請中)を使っていることだ。

小型冷蔵庫(五五〇×六〇〇×九二〇)ほどの大きさで、スペースもとらない。水流式であるので熱効率がよく、沸点以下の低い温度(野菜類八五~九二度C、太めのうどん九四~九七度C)でも調理が可能なので、省エネルギーのメリットもある。

このため、熱気が出にくいので厨房環境も改善されることになり、従業員の生産性も高まる。

最大のメリットは時間当たりうどんで一四〇食、そばで四〇〇食もの麺がゆでれるということだ。温度コントロールはサーモスタットで行うので、湯温のブレもない。

したがって、ずぶの素人でも簡単に作業が行えるので、ベテラン、プロの職人はいらない。

FC展開がハイテンポで可能な理由はここにあるわけだが、しかし、店舗運営はファストフード的でありながら、本格的なものだ。

そばは屋号どおりに、京都の南端に位置する「笠置山」山地で生産される良質の「蕎麦」を使っており、名代のそば店と変わらないグレードの高さだ。

メニューはそば・うどん(二二〇~六八〇円)を主力(基本一二品目)に、ご飯物(一二〇~六八〇円)、セットメニュー(四八〇円)、定食(五八〇円、六八〇円)、弁当(三二〇~五八〇円)をラインアップ、食事どころとしてのバリエーションがある。

標準店舗面積は一〇坪、席数は二〇席前後。立地は物件コストのかからない“二等地志向”で、売上げは月商三〇〇万円と四〇〇万円の二タイプがある。

原材料三一%は共通だが、利益は前者が一六・三%、後者が二一%。売上げの拡大よりも確実な収益力というのが、FC展開の基本理念だが、店によってはアルバイトの女の子一人で月商二〇〇万円、十分に収益を上げているケースもあるという。

麺はグループ企業から生麺で日配。つゆもオリジナルなものを仕様発注でデリバリー。トッピングのなま物は冷凍だが、野菜はすべてカットしてある。調理に手間をかけないという考え方だ。

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