お店招待席 かに料理「甲羅本店」(東京・大田区) 確かな仕入れでお値打ち価格
人の意表を突く一風変わった合掌造りの店舗、また、大胆にデザインされたインテリアが醸す雰囲気、そしてなにより値ごろ感ある価格がファミリー、OL、ビジネスマンなどに受け入れられ、月商五〇〇〇万円を上げているのが、かに料理「甲羅本店」田園調布店だ。
経営母体は、豊橋市を中心にかに料理「甲羅」、炉ばた料理「かまど」などをチェーン展開している甲羅グループ。
「二〇〇一年には一〇〇店舗・五〇〇億円」を目指し全国へ拠点づくりをしているが、同店は首都圏進出第一号店として昨年8月オープンしたもの。
人口密集地の首都圏では、「五年間、五〇店舗出店が目標」(樫原薫関東地区本部長)とし、一号店の目標年商六億円達成の目途も立ち、今年7月には、横浜市都筑区に同じく住宅立地の第二号店オープンが予定されている。
「また食べたくなる料理」「心が満たされる接客」「誰もが楽しめる雰囲気」をスローガンに掲げ、主たるターゲットはファミリー。このほか会社関係、カップルを狙う。
客層に柔軟に対応させたメニューは、かにすき、かにしゃぶ、かに会席を三本柱に据える。
これらを平均に売りたいところだが、関西のかにすき人気に反し、関東ではしゃぶしゃぶに人気がある。そのため、関東圏にもかにすき需要の掘り起こしを狙い、期日限定の「半額セール」を予定している。
また、「カニだけではなく、ウナギにも天ぷらにもこだわる」(小林克彦店長)ということで、料理は単品ものから一品一品の組み合わせによる宴会・接待用にと、場面や価格に応じてさまざまにアレンジできるメニューシステムをとっている。
九割を主婦層が占めるランチタイムでは、かに雑炊九八〇円からかにミニ会席三五〇〇円まで幅広く一三アイテムを設ける。バラエティーに富んだメニューは、選択肢を広げると同時に、次はあれを食べたいという意欲を起こさせ、来店頻度を高める効果は大きいという。
心が満たされまた来たい店
メーンのズワイガニが全商品の七~八割を占める。
同店では月平均一tの消費量。グループの三〇店舗で一店舗当たり年間一二tだ。このため「カニの安定供給ルートづくり」が一番の要となる。
こうした問題も、創業以来の付き合いから、北海道紋別などから直接買い付け、逆に揺るぎのない仕入れノウハウにしている。
食材原価率は三五%、上下変動〇・五%までとする。このため、厨房ではロスを出さない、無駄を出さない原価意識をもたせている。
厨房だけではなく、ホールでもパート、バイトを問わずカリキュラムに基づく教育訓練を行い、成果は三ヵ月ごとに評価し待遇の見直しを図る。
こうしたプロ意識による「心が満たされる接客」が「また行きたくなる店」へとつながるわけだ。
東急池上線雪が谷大塚から徒歩五分、環八沿いにこつ然と現れる一風変わった合掌づくり店舗は、人の目に付きやすい
かに料理
「甲羅本店」
〈創業〉平成8年8月
〈所在地〉東京都大田 区田園調布一‐四 〇、Tel03・372 2・2822
〈営業時間〉午前11時 30分~午後10時30 分、年中無休
〈店舗面積・席数〉二 七〇坪、一五四席
〈従業員数〉正社員八 人、パート・アルバ イト一〇人
〈客単価〉昼二九〇〇 円、夜五一〇〇円
〈一日来店客数〉平日 三五〇人、土日六〇 〇人弱、半数がラン チ客
〈客層〉ランチは九割 が主婦、その他近隣 OL、ビジネスマン。 夜は接待、宴会が多 くを占める。
〈売上高〉月商五〇〇 〇万円
★タラバ網焼き(鮮度抜群の刺身用を使った 人気ナンバーワンメニュー)………2,300円
★活ガニのボイル(宴会料理の人気者)…… ………………………………500g/6,800円
★タラバステーキ(刺身用を使用するためジ ューシーな味わいとボリューム感が好評) ……………………………………… 2,300円
★上かに刺身………………………… 1,000円
★かにグラタン(若者に人気)……… 700円
〈ランチ人気メニュー〉
★彩御膳(寿司盛り合わせ、サラダ、茶碗蒸 し、かにグラタン、そば、鉄砲汁のセット で主婦層に人気)………………… 1,480円
★かに寿司ランチ(かに太巻寿司、サラダ、 茶碗蒸し、かにグラタン、鉄砲汁のセット でOL、ビジネスマンに人気)…… 980円
「タラバ網焼き」は、オープンにちなんで開発されたメニュー。1個出ると香りにつられ連鎖的に出、1日20個の人気者