地域繁盛店(宮崎)ヘルシーメニュー編:自然派レストラン菜苑

2002.05.20 252号 3面

「洋食屋で働いていたころ、体重は今よりも約二〇キログラム多く、体調も悪かった」と語る店主二宮さん。一五年ほど前に健康的な食事を出す店をつくろうと一念発起、この店を始めた。食材は、地どれの穀類、野菜、キノコ、海草が中心で、ご飯はミネラルを豊富に含んだ玄米、野菜は有機野菜。水はNASAで使われている浄水器の水を使用し、調味料においても、砂糖は粗糖、醤油・酢・酒は無添加無農薬などすべてに自然のものを心掛ける。動物類は、メヒカリという日向灘で捕れる魚を少し添えたり、鰹だしをとったりする程度。「基本的に、豆類や豆腐などでタンパク質をとれば、肉魚類、卵、乳製品などはほとんど必要ない」というのが、二宮さんの持論だ。

味つけは薄味ながらも、食材そのものの味が濃いためか、味気なさを感じることはない。肌の調子を気にする女性たちや、ヘルシー志向の人々が集まってくるのも、確かな味にひかれてのこと。「食事で一番大切なのは、おいしいこと。食材は生のまま少し食べてみて、甘み・うまみのあるものを使います。自分が食べたいものを出すだけです」。木の切株に座布団を置いたいすと木のテーブル、民芸調の心和む雰囲気も、人気に一役買っている。

◆自然派レストラン菜苑(宮崎県宮崎市橘通東三‐三‐七、福田ビル2F、電話0985・28・5638)

◆ひと言 二宮店主

おいしいを基本に、安全で体にいいものを出すことを当たり前にしていたら、自然と常連客が増えました。自分なりの基準で考えた菜食料理ですが、やはりこれが日本人に最も合った食事だと思います。

実際に食べた方が「消化がスムーズ、次の日肌の調子が良くなる、体調がよくなる」などと言って、また来てくれます。

毎日ここで食事をして糖尿や高血圧が治った方や、健康的ダイエットに成功した方の口コミも、常連客が増える理由ですね。

●愛用食材 極楽の天然塩

極楽の天然塩は、「常温で限りなく自然に近い塩づくり」をモットーとして作られた塩。カルシウムと、体内の悪いものを出す作用がある純金粉を含んでおり、この塩の持つ波動の関係で、素材のうまみを引き出す効果もある。普通の塩と比べて一〇倍以上の値段だが、「できるだけ体にいいものを使いたい。せっかく厳選した素材を十分にいかせる調味料を」との配慮から長年使用している。調味料を重要視する同店ならではの愛用品といえよう。

◆波動法製造(株)/仙台市宮城野区榴岡一‐六‐三、東口鳳月ビル6F、電話022・296・2700

◆日替わり定食(700円)

お昼だけのサービス定食のメーンは、豆腐のピカタ、大豆のおとし揚げ、そば粉のお焼きなど、豆・穀類から作ったその日のおかず。それに、小松菜と水菜のあえ物などの小鉢と、カボチャなどの煮物、玄米ご飯、味噌汁がつく。味噌汁の味噌は、宮崎県日向市のやや塩辛い麦味噌と、北郷町の甘みがある麦味噌をブレンドしており、香りと味わいが豊か。手ごろな値段で体にいい食事ができるとあって、お昼時はこの定食めあての女性客で賑わう。

◆五穀コロッケ(800円)

五穀と名付けられてはいるものの、実際には黒米、モチキビ、モチ粟、ヒエ、トウモロコシ、はと麦、押麦、大豆、小豆、キンワ、マランサス、アマランスなどが一〇穀ほども入っている。それぞれの穀類にはビタミンやミネラルなどがたっぷり含まれており、つなぎにも野菜やごま油が使われているので、このコロッケだけでも栄養抜群。定食にプラスしたり、玄米ご飯、味噌汁などのセットをつけて食事としたり、いろいろな食べ方ができる。

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