原料高騰の影響は菓子向け抹茶で特に強く、玉露など他の日本茶も例外ではない(写真は舞妓の茶本舗の「玉露スイーツ」)
【関西】抹茶の原料である碾(てん)茶の取引価格が前年比2.5倍以上の異常な水準となり、宇治(京都府)など各生産地の茶メーカーが苦境に立っている。現行の碾茶価格では製品への転嫁が容易ではなく、利益のひっ迫が強く懸念される。碾茶高騰の背景には昨夏に目立ち始めた海外需要の拡大があり、供給量が非常に限られている小規模の企業にまでスポット的な発注が相次ぐ。既存の取引先から異常な量の発注を受けるケースもあり「用途を考えると、そんな量は使いきれないのだが」(茶メーカー幹部)という。影響は