トップインタビュー:ヴィスプ代表取締役社長・當仲邦弘氏

2002.06.03 253号 4面

‐‐まっち棒といえば、和歌山ラーメンブームを巻き起こし、一世を風びしたラーメン店でしたね。三宿に移転し、デザイナーを入れスタイリッシュな店をつくったときは驚きました。

當仲 私はもともとファッション業界出身で、ラーメン店を極める気はなかったのです。むしろ外野の目でみて、既存のラーメン業界がラーメンの味ばかりにこだわり過ぎ、トレンドの変化に対応する姿勢や、女性客をとり入れる努力を怠っていると思ったんです。そこで、味には自信がありましたし、思い切って店をかっこうよくして、女性客が気軽に来られるように変えたわけです。

‐‐三田の「ラーメンスタイル・カフェ」は、どんな発想でつくったのですか?

當仲 場所がらラーメン単品では弱いと思いましたし、三田以外のエリアから「わざわざ来てもらえる店」にしたいと考え、カフェスタイルにしました。カフェは若い女性客にとって、いやしやくつろぎの場ですしそこでカクテルを飲んだり、デザートを楽しんだり、ゆっくり過ごしてもらえる店にしたかったのです。

‐‐フレンチ出身のシェフが料理をつくっているそうですね。

當仲 「カフェごはん」というと、出来合いのチープなイメージがありますが、三田の店では手の込んだ創作料理を出しています。メニューのアイテム数も多く、お客さんのシチュエーションに応じた料理の提供ができるようになっています。飲み会やパーティーのニーズも増えていますから、パーティー料理もしっかりと出せるようにしています。

‐‐目標月商一〇〇〇万円になかなか届かないようですが。

當仲 エリア特性が読めないようですね。目標数字に届かせるためには、三田エリアのお客さんだけを狙っていては難しい。しっかりした料理が出せるわけですから、いかにそれを認知してもらえるかだと思いますが。

いずれにしても、この店がダイニング業態の旗艦店ととらえていますから、時間がかかってもじっくり育てていくつもりです。

‐‐一方、恵比寿に出したつけ麺専門店・じゃぶやは好調のようですね。

當仲 おかげさまで、行列店ひしめく激戦区の中で、たいへん健闘しています。一四席の小さい店ですが月商四〇〇万円を上げています。営業時間を延長すれば五〇〇万円はいけると思います。

‐‐今後の出店計画は?

當仲 8月に目黒に「和食+つけそば」の店を出したいと考えています。三田のフレンチシェフ同様、今度も日本料理出身の料理長を起用します。また、その後は大宮にイタリアンスタイルの店を出したいと考えています。アンティパストとカッペリーニをメーンに、ドリンクやアルコールも充実させたカジュアルダイニングです。

‐‐ラーメン店の枠を超えますね。

當仲 私の夢は本格的なダイニングをつくることです。ラーメン店はそのプロセスですし、既存店はその下支えだと考えています。ダイニングでもまっち棒を超えるブランドを早くつくり上げたいと思います。

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