この一品が客を呼ぶパスタ編・神戸:「パスターナ」和風きのこスパゲッティ
パスタ480円~で、さらに焼きたてパン(おかわりOK)に特製バター付きと、お手ごろ価格で人気を呼んでいるパスタ専門店。食券制や冷凍麺で回転率を高めつつ、パスタのおいしさとおしゃれな雰囲気で、若い女性が一人でも入りやすい店づくりが好評だ。昨年秋には、元町商店街に2号店もオープンしている。
JR三ノ宮駅そばという好立地。忙しく働く女性が増えるなか、ありそうでなかった「女性が一人で、時間をかけずに安く手軽に食事できるお店」(代表・吉丸英克さん)をコンセプトにオープンした。カウンターだけの店内には一人客が多く、昼時を過ぎても、客足がなかなか途切れない。
メニューはオイル系、トマト系などオーソドックスなもの。最初はイタリア系メニューだけだったが「やはりパスタ専門店に和風メニューは必須」(吉丸さん)ということで、「和風きのこスパゲッティ」をスタート。今では一番の人気に。
和風きのこスパゲッティは、醤油ベースのソースにキノコがたっぷり入ったシンプルなもの。味の決め手はカキ醤油で、普通の醤油に比べてコクがある。
見逃せないのが、すべてのパスタにつく、リンゴやカボチャ入りの特製バターとおかわり自由の焼きたてパン。「パスタがおいしいのは当たり前。さらに付随するものがおいしければ、それが口コミで広がると思うんです」と吉丸さん。メニューにあえて明記しないことで、意外性・お得感を高める工夫も。
店づくりにも、女性一人客の“居心地良さ”を追求。「例えば女性は荷物が多いですよね。だから足元に荷物が置けるいすを特注しました」と吉丸さん。
落ち着いた照明のシンプルな店内も、ファストフードとは一線を画し、一人で食事しやすい雰囲気だ。そのせいか、実は男性の一人客も多く、3割ほどを占めるという。
◆パスターナ(神戸市中央区加納町4‐1‐1、ビエント三ノ宮内、電話078・334・1925)営業時間=午前11時~午後9時、日・奇数月の第2月休/席数=16席/1日食数=約50食
◆食材の決め手:アントニオ・アマートの「冷凍スパゲッティ」(1・6mm)モンテ物産(株)(東京都渋谷区)
回転率を高めるためこの店のパスタは冷凍麺を使用している。
「技術の進歩で、冷凍麺の味は向上しています。メーカーはまだ限られていますが、そのなかでいろいろと試しました」という吉丸さんが選んだのは、アントニオ・アマートの「冷凍スパゲッティ」(1・6mm)だ。
解凍にかかる時間は約30秒で、オーダーから3分以内に出すことができる。麺自体に塩味はついていないので、ソースの塩加減で調整しているそうだ。