デザート新情報 ラーメンと甘味の店 「糸ぐるま」強い和の甘味
学生の街、代々木の駅(東京都新宿区)から徒歩一分の京風らーめん百味「糸ぐるま」代々木店(㈱西洋フードシステムズ)では、ランチタイムともなると二階の入り口から階段の下まで二〇~三〇人、二〇代前後の若い女性が並ぶ。お目合いはラーメンと甘味である。
同店のランチの人気メニューは三色遊膳(三色そぼろごはん、ごぼうサラダ、ひとくちぜんざい、小鉢らーめん)七九〇円。若い女性のあれも食べたい、これも食べたいというニーズをしっかり受けとめたセットメニューでこのお値段。緑茶サービスも付く。しかも店内は京風茶屋造りで落ち着いた雰囲気をかもし出し、会話もはずむ。
客単価は七四〇~七六〇円で、昼はほとんどが単品の注文でも京風らーめん(三九〇円)とあん白玉(四六〇円)というようにらーめんと甘味を食べるという。昼過ぎに出るのはあじさいせっと(団子・あんみつ・アイスクリーム)やあやめせっと(団子・ところ天・アイスクリーム)で各五八〇円。年輩者にはみたらし団子やよもぎ団子(各二八〇円)も人気だという。
同店の高橋義昭店長は「洋」のデザートはどこでも食べられるが、「和」の甘味はまだまだ店が少ない。また、メニューも白玉、団子、あん類、みつ豆、ところ天と日本伝統のもので、あまり流行がない。“和”のデザートに関して言えば、シンプルイズベストというところ」と、甘味の強さを語っている。
夏場に一番出るのはかき氷。「かき氷に勝てる商品なし」というくらい強い。冬場のぜんざい、おしるこもかき氷には勝てないという。(同氏)
らーめんと甘味のとり合わせのポイントはらーめんを普通のラーメン屋より量を少なくし、味もあっさりとした中にもコクが出る工夫をしていること。スープも塩からくなく、油も浮いていない。これが、甘味の味をひきたたせ、らーめん、甘味の共存を可能にしている。
「糸ぐるま」は関東から北を中心に五二店舗展開している。