銀座レカン、高級店の500円タルト

1994.05.02 51号 13面

(株)セーキが運営するフランス菓子「銀座レカン」で五〇〇円のタルトを販売、毎夕銀座三丁目に行列を作ることで話題となっている。おいしいのはあたりまえ、「高級店の五〇〇円タルト」という驚きと「晴れの夕刻一五分のみ(平日午後5時から、日曜午後4時から。個数限定で一五分程で完売となる)」で希少価値をもたせるイメージ戦略が功を奏し、夕刻になるとパブロフの条件反射のように「レカンのタルト」に並びたくなってしまうようだ。

九二年10月から始めたこの店頭販売は「創業二〇年の還元セール」と「ギフトにつなげる手段」からスタートした。新宿三越のレカン・コーナーでもやっており、全体で一日一五〇〇個売る。すべて手作りだ。「高級店銀座レカンの看板があるので、たとえ五〇〇円でも本物を売らないとギフトにつながらない」(毛利進営業部長)と低価格でも高品質を求める消費者ニーズをしっかり捉えている。不況下、高級店にもかかわらず確実に実績を伸ばしている。毛利さんは「構想計画と実施計画をたてて、オペレーションできないとだめ」を持論とし、実践している。

地下一階のイートイン「サロン・ド・ティ」も夕方6時を過ぎると満席状態となる。店内はゆったりとぜいたくな気分でティータイムを楽しめる文字通りのサロンだ。同店の菓子はフランス製菓最高技術者協会会長、ジャン・ミエ氏と技術提携を行っており、本格フランス菓子を提供している。

写真のイチゴミルフィユとイチゴのシューに利用するイチゴは旬の完熟イチゴを使用。季節によって産地を使い分け、届いた中からさらに粒揃いなものを厳選して使うため、美しさ、おいしさ、香り、を併せ持つ。特にイチゴのシューはまるごとイチゴが一〇個入っており、そのボリュームある存在感に初めての客は驚く。

◆「フランス菓子銀座レカン」=東京都中央区銀座三‐四‐一、Tel03・3567・8081

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