ラーメン店進化形:事例2 「すごい煮干ラーメン凪 大宮東口店」
☆注文→食券を卓上パネルで読み取り 提供→自動レーン
●ラーメンがレーンにのって到着 楽しさの付加価値追求
「空飛ぶラーメン」をうたったレーンを導入し、SNSでも話題の「すごい煮干ラーメン凪 大宮東口店」。店内には厨房から客席までをつなぐ上2段の全自動レーンが設置され、注文したラーメンがこのレーンで運ばれる仕組みだ。お客は入店したら、券売機で食券を購入する。食券にはQRコードが印刷されており、これを各席のパネルにかざして読み込ませると、オーダーが厨房に送信される。出来上がったラーメンはレーンにのり、席まで運ばれるのだ。
このシステムは注文を聞き、ラーメンを運ぶ手間が不要で、「オーダーミスの削減と提供時間の短縮につながっている」と、同店を運営する凪スピリッツの小松優作氏は言う。実際、提供時間は約7分と素早く、24時間営業とはいえ1日に400~500人を集客する。
しかし、全自動レーンを導入した経緯は、決して提供の手間と時間を省くためではない。「『お客さまを驚かせ、楽しませ、喜ばせる』というのが当社のテーマ。味だけではない付加価値を、と考えて導入を決めた」と、小松氏は強調する。導入費用は約5千万円で、「オペレーションの簡略化と省人化の目的だけでは、これだけの費用をかけての導入には踏み切れない」。
注文から提供までオートメーション化されてはいるが、同店にはそうしたシステムからイメージされる無機質なイメージはない。QRコードをタッチパネルにかざす注文方式と、ラーメンがレーンで運ばれる様子がエンターテイメントという付加価値になり、食事に楽しい体験をも求めるお客の呼び込みに成功しているのだ。
●店舗情報
「すごい煮干ラーメン凪 大宮東口店」
所在地=さいたま市大宮区大門町1-24-1 大一ビル1階/営業時間=24時間営業/席数=カウンター19席