2026年7月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2026.10.05 572号 05面

●56ヵ月連続増収

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2026年7月度売上げは前年同月比6.8%増となり、56ヵ月連続の増加を記録した。

7月は下旬から夏休みシーズンが始まり、6月に比べてどの業態もやや持ち直した印象を受ける。客数は前年同月比3.2%増、客単価も3.5%増となった。

業態別では、前年比を下回った業態は年明け以降、1月13業態、2月27業態、3月26業態、4月25業態、5月11業態、6月は49業態に急増したが、7月は15業態と、やや持ち直した。

●スポットワークの内製化と労務管理面の注意点

前号では、「外部依存からの脱却=スポットワークの内製化」と、「退職者の即戦力化=アルムナイ採用」を組み合わせた自社主導型の人材確保策について具体的な事例を掲載したが、今号では、スポットワークの内製化(直雇用化)を進めるにあたり、注意すべき労働基準法、社会保険、給与即時払いの労務管理上の注意点について取り上げたい。

(1)労働基準法上の注意点

単日の短時間勤務であっても、直接雇用である以上は通常のアルバイト・パートと全く同じ労働法規が適用される。

▽労働条件通知書(電子交付)の義務化=採用決定(マッチング)後、勤務開始前までに「給与・労働時間・業務内容」などを明示する必要がある。アプリやLINEなどを通じたPDFやWeb画面での電子交付(明示)が認められているが、交付漏れがないようシステム上で自動発行される仕組みが必要。

▽準備・着替え時間の「労働時間」カウント=開店前の準備、ユニフォームへの着替え、終業後の清掃や朝礼・終礼などが「使用者の指揮命令下」にある場合、これらも労働時間に含めなければならない。打刻タイミングと実労働時間の乖離に注意が必要。

▽他店舗・自社他部署との「労働時間通算」と割増賃金=自社グループ内の別店舗でダブルワークをする場合や、通常シフトに加えてスポット勤務に入る場合、同じ事業者内での労働時間はすべて通算される。1日8時間・週40時間を超えた分には、必ず25%以上の割増賃金(残業代)が発生する。

▽会社都合のキャンセル(早上がり)における休業手当=「急に暇になったから途中で帰す」「シフトを前日に取り消す」といった会社都合の変更を行う場合、労働基準法第26条に基づき平均賃金の6割以上の休業手当(または契約時の全額賃金)を支払う義務が生じる。

(2)社会保険・雇用保険の注意点

単発勤務であっても、特定の条件を満たすと社会保険や雇用保険の加入義務が発生する。

▽雇用保険の適用要件(週20時間以上)=1週間の所定労働時間が20時間以上となり、31日以上の雇用見込みがある場合は雇用保険の加入対象となる。単日契約の繰り返しであっても、実質的に継続勤務している場合は遡及して適用されるリスクがある。

▽社会保険(健康保険・厚生年金)の適用=従業員数51人以上の企業等の場合、「週20時間以上」「月額賃金8.8万円以上」「2ヵ月を超える雇用見込み」などの要件を満たすと、社会保険の加入義務が生じる。自社の他店舗や通常シフトとの合算で意図せず上限を超えてしまわないよう、シフトシステム上での「シフト上限ブロック」などの管理が必須。

(3)給与即時払い(即日振込)の労務管理上の注意点

スポットワーカーを引きつける最大の要素が「即日払い」ですが、内製化する際は自社で正しく運用する必要がある。

▽賃金支払の5原則(直接払・全額払・毎月1回以上など)の順守=給料は本来「通貨で、直接、全額を、毎月1回以上」支払う原則がある。即時払いのために給与前払いサービス(FinTechベンダーなど)を導入する場合、それが「給与の立替」ではなく「確実な直接払い」として法的に処理されているか(または労使協定が締結されているか)を要確認。

▽振込手数料の負担問題=給与から振込手数料を天引きして支払うと「全額払いの原則」に違反する可能性がある。即時払いにかかる振込手数料やシステム利用料は、原則として企業側が全額負担する必要がある。

▽源泉所得税の処理(乙欄・日雇特例)=給与の計算に当たっては、扶養控除等申告書を出していないスポットワーカーに対して「乙欄」または「日額表の日雇特例(日雇い賃金計算)」を正確に適用し、源泉徴収を行う必要がある。自社システムまたは給与計算ソフトとのリアルタイム連携が欠かせない。

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