関西版:京のだしで具だくさん「ふうふや」 こだわる“料理屋のうどん”

2008.08.04 345号 19面

 冷凍鍋焼きうどん製造メーカー・和食チェーンかごの屋運営の「キンレイ」と、そばの家族亭・うどんの得得を運営する「家族亭」が、投資会社キャス・キャピタルの傘下として業務提携をスタート。キャッチコピーを「京のおだしに具がぎょうさん」とする2社の共同開発店舗「ふうふや」が大阪市鶴見区にオープンした。4月16日の開店から3ヵ月、見た目も楽しく美しいうどん店は、地元で着々と支持率を上げている。

 ふうふやのこだわりは「料理屋のうどん」であること。平屋ながら少し高さに余裕のある天井、ゆったり歩く石畳の通路は、京の街並みを思わせる。入口すぐの長カウンター奥のオープンキッチンでは、ネクタイを締めた白衣姿の職人が料理する様子が見える。

 手間暇をかけ、毎朝その日の分を仕込み、おいしさの提供にこだわっている。キャッチコピーの「具がぎょうさん」とは、関西弁で「具がたくさん」という意味。旬を生かした季節感あふれる具材をたっぷり使い、四季ごとに変わる旬のメニューは常時20種類。「茹であげうどん」は煮込み用の太うどんのほか、中・細・極細と4種類ある。雑味を抑えスッキリと仕上げたひきたてだしも、具材にあわせてひと椀ごとに味が調整される。あくまでも「メシ」ではなく「食事」として慣れ親しんだうどんを味わってほしいと、ちょっと上品でよそ行きのごちそううどんを出す。35歳以上の外食好きの人が、あっさり食事を済ませたいがFFでは物足りないという層がターゲットだ。

 ◆おばんざいメニュー増も検討

 看板メニューの「金鍋うどん」(1580円)は、12種類の具材がのった鍋焼きうどん。暑さに負けず夏場にもオーダーが入る。根強いカレーファンが支える人気の一品は「かしわの濃厚カレーうどん」(880円)。「京の天ぷらまめ天うどん」(1580円)は、おちょぼ口でも食べられるよう天ぷらが少し小ぶりになっている。夏限定メニューでは、「鱧香り揚げ野菜あんかけうどん」(1280円)と、「夏野菜たっぷり冷しカレーつけ麺」(880円)が注目を集めている。サイドメニューは「鯖棒寿司三貫」(480円)がよく出るが、今後は和食要素の強いおばんざいメニューも増やし、プラス1品効果を出したいとのこと。

 コンビニを中心に圧倒的な市場シェアを誇るキンレイの冷凍うどんは、どちらかといえば讃岐うどんのようなしっかりしたコシが特徴だが、ふうふやのうどんは、家族亭が店舗で提供してきたノウハウを取り入れ、だしの味がよくしむ軟らかい大阪うどんに近いもの。これまでにない食感の冷凍うどんを2社で生み出した。2号店は家族亭が出店する予定だ。家族亭のうどん業態とキンレイの和食業態のちょうど中間にあたる1300~1400円が客単価。今後は主にキンレイが直営を、家族亭がFCを担当し、都心型店舗も増やし50店舗展開を目指す。

 ◆「ふうふや」(大阪市鶴見区鶴見3-13-31、電話06・6913・8115)営業時間=午前11時~午後11時/席数=98席/客単価=約1400円/目標月商=1000万円/ターゲット層=主婦、ヤングファミリー/人気メニュー=「かしわの濃厚カレーうどん」(880円)、「九条葱と炙り合鴨うどん」(1080円)など。

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